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渡辺雄二「食にまつわるエトセトラ」(5月10日)

ゼラチンを食べると膝痛が消え、肌もスベスベ!市販パウダーは一袋たった30円

文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト
ゼラチンを食べると膝痛が消え、肌もスベスベ!市販パウダーは一袋たった30円の画像1「Thinkstock」より

 年齢を重ねるとともに、体のあちらこちらに不具合が生じやすくなるものですが、特に膝に痛みを感じる人が多いようです。筆者が利用している私鉄の駅でも、階段をつらそうに昇り降りしている高齢者をよく見かけます。

 ところで、膝の痛みの多くは「変形性膝関節症」によるものです。これは、膝に対する負担が積み重なり、クッションの役目を果たしている膝関節の軟骨がすり減ったり変形して、痛みや障害が発生するのです。主な原因は、老化や肥満とされています。加齢に伴って代謝が悪くなり、軟骨の生成が不十分で衝撃を吸収しきれなくなっていくのです。また、体重が増えるとそれだけ膝に負担がかかり、異常が表れると考えられます。

 実は筆者も10年ほど前に、膝痛に襲われたことがありました。下りの坂道を歩いている時に、突然右膝に痛みを覚えたのです。さらに、階段を降りる時にも強い痛みを感じました。歩く際には体重の2~3倍、階段を降りる際にはなんと5倍も膝に負荷がかかります。部屋にこもって原稿を書いている時間が長かったため運動不足に陥り、膝の関節も衰退した状態になっていたようです。

 膝の状態を正常に戻す方法はないかと調べたところ、とても重要なことがわかりました。それは、骨と骨との間にあって関節を形成する軟骨の成分は65~80%が水分で、残りの固形成分の約半分はタンパク質の一種のコラーゲンでできているということです。

 若い頃は代謝が活発ですから、体を構成する成分が活発につくられます。つまり、膝関節を形成するコラーゲンもどんどん生成され、しっかりした軟骨が維持でき、直接骨と骨とがこすれることもなく痛みを感じないのです。ところが、加齢とともにコラーゲンを生成する能力が衰え、膝の軟骨が減って痛みを感じるようになったと考えられます。

ゼラチンを食べ続けたら、痛みが消えた

 筆者は「膝関節のコラーゲンを生成しやすくしよう」と思い立ち、実践してみたのです。すなわち、市販のゼラチンパウダー「ゼライス」(マルハニチロ)を購入し、コーヒーゼリーにして食べたり、パウダーをみそ汁に入れたりして飲んだのです。

 ゼラチンは、コラーゲンを少しだけ分解し、乾燥させて粉末状にしたものです。つまり、90%以上が実質的にはコラーゲンで、食べると消化液によって分解されてアミノ酸となり、それが消化管から吸収されます。さらに、そのアミノ酸を原料として体内でコラーゲンができやすくなると考えたのです。

 その狙いは的中したようで、ゼラチンパウダーを数週間食べ続けたところ、の痛みをあまり感じなくなりました。恐らく、膝の軟骨の成分であるコラーゲンがたくさんつくられて、軟骨がしっかりして骨と骨とがこすれることが少なくなったためと考えられます。整形外科や整骨院に通ったわけでもなく、特に運動も行っていなかったので、ゼラチンパウダーが効いたと考えられます。

 コラーゲンは、体を構成するたんぱく質の中では最も多く、全たんぱく質の約30%を占めています。したがって、それを維持するためには体内で常に合成されなければならず、その原料となるアミノ酸が必要なのです。しかも、コラーゲンのアミノ酸組成はプロリン、ヒドロキシプロリン、アラニンが多くを占めるなど、かなり偏っているため、それらを補給する必要があるのです。そのためには、ゼラチンパウダーを食べることが一番手っ取り早いのです。

 筆者は周囲の人にこの体験を話したところ、膝の痛みに悩んでいた60代の男性数人がゼラチンパウダーを食べるようになりました。すると、筆者と同様に膝の痛みを感じなくなったのです。

肌にも変化が…

 また、思わぬ変化が表れました。ある日、ふと寝ている時に足の甲をこすり合わせたところ、やけに皮膚がすべすべしていたのです。それは、明らかにそれまでの感覚とは違うものでした。そこで手の甲や腕、頬、首筋などに触れてみると、従来よりも明らかにしっとりすべすべしていたのです。

 体内のコラーゲンは、皮膚、血管、軟骨、骨、歯、眼、腱、内臓など、全身に分布しており、特に皮膚には体内の全コラーゲン量のうち40%も存在しています。皮膚の本体といえる真皮はコラーゲンが繊維状になったもので、大部分を占めているからです。つまり、コラーゲンの生成が盛んになれば皮膚が良い状態になって、しっとりすべすべになると考えられます。

 この体験についても周囲の人に話したところ、中学時代の同級生の女性はさっそくゼラチンパウダー買い込んで、コーヒーゼリーなどにして食べたといいます。すると、しばらくして効果が出始めたようで、「本当に手や腕の皮膚がしっとりすべすべになってきた」と、とても喜んでいました。また、40代の女性編集者は、冬場になるとひどい手荒れに悩まされていて、どんなクリームを塗っても治らなかったのに、ゼラチンパウダーを食べ始めたところ、「手荒れが起こらなくなった」と非常に喜んでいました。このほかにも、同じような経験をした人が何人もいるのです。

血管も丈夫になる

 さらに、ゼラチンパウダーを食べることによって血管も丈夫になると考えられます。なぜなら、血管もコラーゲンでできているからです。

 全身に張り巡らされた血管は、動脈、静脈、毛細血管に分類されます。動脈は、三層構造になっていて、内側から順に内膜、中膜、外膜といいます。内膜の表面には内皮細胞がタイルのように敷き詰められていて、血液と接しています。中膜は平滑筋と繊維質で構成されていますが、繊維質をつくっているのが主にコラーゲンなのです。一番外側にある外膜は主にコラーゲンから成る繊維質で、血管全体を保護しています。これらによって血管の弾力性が保たれているのです。

 静脈も構造は動脈と同じで、内膜、中膜、外膜によって構成されています。毛細血管は、酸素と栄養を供給し、二酸化炭素と老廃物を受け入れるため、毛細血管は内皮細胞と基底膜だけから構成されています。そして、基底膜はコラーゲンなどによって構成されています。

 したがって、体内でコラーゲンの生成が盛んになれば、動脈と静脈の中膜、外膜、そして毛細血管の基底膜がしっかりした状態になり、丈夫になると考えられるのです。

 以上のように、ゼラチンを食べることによって、体にとってさまざまなプラス面が表れると考えられます。市販のゼラチンパウダーは、値段も7袋(1袋が5g)入りで税抜200円前後と格安です。ちなみに、筆者は10年以上ゼラチンパウダーを食べ続けています。1日に1~2gくらいの摂取であれば、副作用が表れることはまずありませんので、膝痛や肌荒れなどで悩んでいる方は、一度試してみてください。

 なお、ゼラチンとその食べ方についてもっと知りたい方は、拙著『健康に長生きしたけりゃ ゼラチンを食べなさい』(青志社)をご参照ください。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

渡辺雄二/科学ジャーナリスト

1954年9月生まれ。栃木県宇都宮市出身。千葉大学工学部合成化学科卒。消費生活問題紙の記者を経て、82年からフリーの科学ジャーナリストとなる。全国各地で講演も行っている

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