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石堂徹生「危ない食品の時代、何を食べれば良いのか」

牡蠣・アサリ・シジミの生焼けに注意!新型ノロウイルス、10月以降に大流行の恐れと警告

文=石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト
牡蠣・アサリ・シジミの生焼けに注意!新型ノロウイルス、10月以降に大流行の恐れと警告の画像1国立感染症研究所「新規遺伝子型ノロウイルスG2.P17- G2.17の流行」

 極暑の夏から、食欲の秋へ。サンマの塩焼き、茹でたての紅ズワイガニ、さらに牡蠣鍋……。今年は特に、生焼け・生煮えの牡蠣やアサリ、シジミ、ハマグリなどの二枚貝に注意したい。

 9月2日、国立感染症研究所が「2015/16シーズンは、牡蠣などが汚染源の新型ノロウイルスによる食中毒(感染性胃腸炎)【編注1】が大流行する可能性が高い」と警告を発したのだ。

 なお、今回は当連載3月15日付記事『死に至るノロウイルスの恐怖 ふん便や空気、あらゆる食品から感染 毎年370万人感染』の続編ともいえる内容である。

世界初の新型ノロウイルスを発見

 今年に入り、神奈川県川崎市では、2月に中学1年生の少年が殺害される事件が起き、最近も老人ホームで入居者3人が不審な転落死を遂げていたことが明らかになるなど、やりきれない事件が続いている。

 しかし、そんな川崎に、やっといいニュースが発生したといえる。川崎市健康安全研究所のスタッフが、世界で初めて新型ノロウイルスを発見したことが、前述の警告につながったのだ。なお、「新型」というのは、正しくは「新規遺伝子型」という意味である。

 事の発端は2014年3月、川崎市内の感染性胃腸炎患者の糞便の一部が、検査材料として同研究所に運ばれてきたことだった。同研究所では、そのノロウイルスの遺伝子がどのような順序で並んでいるかを解析し、「G2【編注2】.17」(グループ2の遺伝子型17型)という遺伝子型を決めた。

 しかし、これは05年以前に検出された「G2.17」とは違い、「G2.17」が変異(同種の生物の個体が、まったく違った性質・形状を示すこと)した新型の可能性があった。

 そこで、ノロウイルスに関する科学者の非公式ネットワーク「NoroNet(ノロネット)」に解析を依頼した。その結果、新型ということが確認され、「G2.17 Kawasaki 2014」と、川崎市の表記入りで命名された。

全国的に流行していた新型ノロウイルス

 川崎市の患者によって新型ノロウイルスが発見されたわけだが、全国的にはどうなのだろうか。同研究所から連絡を受けた国立感染症研究所は、川崎市以外に自治体で情報収集を行うことができた長野、埼玉、栃木の3県について調べた。

 その結果、13~14年シーズン(13年9月~14年8月)で「G2.17」が検出されたのは、前述した川崎市の1例だけだった。14~15年シーズンの場合、14年12月までは「G2.4」という遺伝子型が主流だった。しかし、15年1月には「G2.17」の検出が6件(「G2.4」は14件)、2月には同9件(同4件)、3月には18件(同4件)となり、「G2.17」が逆転している。

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

1945年、宮城県生まれ。東北大学農学部卒。養鶏業界紙記者、市場調査会社などを経て、フリーに。現在、農業・食品ジャーナリスト

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