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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

抗がん効果が話題のベータ-カロテン「のみ」過剰摂取は危険!がんリスク増大など体に害の恐れ

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
抗がん効果が話題のベータ-カロテン「のみ」過剰摂取は危険!がんリスク増大など体に害の恐れの画像1「Thinkstock」より

 日本には四季があり、それぞれの季節に旬があります。寒い冬でも、大根、かぶ、にんじん、れんこんなどの根菜類や、白菜、キャベツ、小松菜、からし菜、春菊、ブロッコリー、カリフラワーなどのおいしい野菜が旬を迎えます。こうして考えてみると、私たちは本当に豊かな国に住んでいるのだと、あらためてわかります。

「二十四節気」は一年を24等分してそれぞれに名前をつけたもので、中国で考えだされて日本にも定着しました。その二十四節気のうちのひとつが「冬至」で、今年は12月22日です。昔から冬至にはかぼちゃを食べ、ゆず湯に入るという習わしがありました。一年中で夜が一番長く、この日を境に昼の時間が長くなることから「一陽来復(いちようらいふく)」ともいわれ、たとえそれまで運の悪いことが続いていても、運が回復して良い方向に向かう境界になると考えられていたようです。

 冬至にかぼちゃを食べる習慣は江戸時代に始まったとされていますが、その理由は定かではなくいくつかの説があります。かぼちゃの色が黄色いため太陽に見立てて、そこに冬を越すパワーがあると信じられていたという説や、いよいよ寒くなってきたときに、夏から秋にかけて収穫・保存したかぼちゃを冬至に出して感謝して食したという説もあります。冬至に小豆粥を食べる習慣のある地方がありますが、かぼちゃと小豆を一緒に炊いて「いとこ煮」と称して食べる地域もあるようです。これらの食材には体を温める作用もあり、冬は特に健康効果が望めます。

ベータ-カロテンに抗がん効果?

抗がん効果が話題のベータ-カロテン「のみ」過剰摂取は危険!がんリスク増大など体に害の恐れの画像2

 いずれにしても、かぼちゃにはカロテノイドと呼ばれる、私たちの体にとって重要で、冬には貴重な植物栄養素がたっぷり含まれていることは事実です。この栄養素が抗酸化力を発揮して免疫力を高め、風邪をひきにくくさせるということを昔の日本人は知っていたのでしょう。

 カロテノイドとは、野菜や果物などに多く含まれる天然色素成分で、これまでにおよそ600種類近く発見されている植物栄養素の中の一群です。リコピン、アルファ-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、ベータ-クリプトキサンチンなどがありますが、最も知られているのはベータ-カロテンでしょう。このうち、アルファ-カロテン、ベータ-カロテン、ベータ-クリプトキサンチンの3つは、体内でビタミンAに変換されるのですが、「ベータ-カロテンの血中濃度が高い人は、がんの発生率が低い」という調査結果が出たために、ベータ-カロテンに抗がん効果があるといわれてきました。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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