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森由香子「間違いだらけの食」

お酒は危険!糖質カットでも太る!血中に脂肪充満、果てしない体脂肪蓄積の連鎖

文=森由香子/管理栄養士
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お酒は危険!糖質カットでも太る!血中に脂肪充満、果てしない体脂肪蓄積の連鎖の画像1「Thinkstock」より

 健康に気を遣い、糖質やプリン体など一部の成分がカットされているアルコール飲料を飲んでいらっしゃる方、血糖値を気にされて、ビールやワインなどの醸造酒ではなく、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を選んで飲んでいらっしゃる方も多いと思います。

 しかし、お酒を選ぶときに、糖質やプリン体を気にしても、アルコールのカロリーやアルコール度数を気にされない方が、少なからずいらっしゃいます。そういった方の多くは、「お酒に含まれるアルコールは、エンプティカロリー(カロリーがない)なので、アルコールそのものは太る原因にならない」という認識をお持ちです。

 アルコールがエンプティカロリーといわれる所以は、炭水化物、脂質、たんぱく質といった栄養素とは異なり、栄養がないため体内に蓄えられることなく、すべてがエネルギーとして使われるということから、そう呼ばれるようになったようです。

 しかし、本当はどうなのでしょうか。

 確かに、アルコールが適量であれば、アルコールそのものが体脂肪になる可能性は低いと考えられています。しかし、飲酒量が適量を超えてしまえば、炭水化物、脂質、たんぱく質と同じように、アルコールが体脂肪に変化してしまい太る可能性が高くなります。

アルコール代謝のメカニズム

 では、この理由を明らかにするために、まず適量の飲酒を行ったときのアルコール代謝のメカニズムをみていきましょう。

 アルコールは、気体になりやすい性質があるため、その一部は代謝を受けずに呼気になったり、代謝されずに尿からそのまま排泄されます。アルコールの大部分は肝臓で代謝され、カラダにとって有害なアセトアルデヒドに変わり、摂取したアルコール全体の約30%のエネルギーは、この時に使われています。

 そして、アセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水酵素により酢酸となります。酢酸は、クエン酸回路というエネルギーをつくる回路で、二酸化炭素と水に分解され、アルコールは無毒化されます。この過程において、アルコール全体の約70%のエネルギーは消費されます。

 適量の飲酒量であれば、こうしてアルコールのエネルギーはすべて使われると考えられています。

適量の飲酒量は?

 ところが、適量を超えた多量の飲酒になると、アルコール代謝が効率よく働かず、アルコールの代謝過程で生成された酢酸は、二酸化炭素と水に分解されずに、中性脂肪がつくられてしまいます。そうなれば、血中に中性脂肪があふれ、体脂肪へと変わっていく可能性が高くなります。

森由香子/管理栄養士

森由香子/管理栄養士

東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。 クリニックにて栄養指導、食事記録の栄養分析、食事管理業務に従事。フランス料理の三國清三シェフととともに病院食や院内レストランのメニュー開発、料理本制作の経験をもつ。管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士の立場から食事からのアンチエイジングを提唱している。「老けない人は何を食べているのか」「病気にならない人は何を食べているのか」「体にいい『食べ合わせ』」「太らない人の賢い食べ方」「老けない人の献立レシピ」など著書多数

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