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大江英樹「おとなのマネー学・ライフ学」

その保険、本当に必要?やめれば余裕と貯蓄が増える?「保険=貯蓄」が資産を食い潰す

文=大江英樹/オフィス・リベルタス代表
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その保険、本当に必要?やめれば余裕と貯蓄が増える?「保険=貯蓄」が資産を食い潰すの画像1「Thinkstock」より

保険は宝くじと一緒

 誤解を恐れずにいえば、保険というのは宝くじのようなものです。「多くの人がお金を出し合い、当たった人に分配する」という意味においては、仕組み上の違いはありません。

 ただし、宝くじは「当たればうれしい!」のに対して、保険の場合は「当たる」ということ自体が「死亡」や「怪我」といった不幸である、という具合にその結果が正反対です。言い換えれば、宝くじは夢を買うためにお金を使うのに対して、保険は将来の不幸に備えて保険料を払うということです。

 つまり保険は、(1)滅多に起こることではない、(2)でも起こるととても自分の蓄えではまかなえない、(3)それがいつ起こるかわからない、ということに対して備えるためのものですから、本来は掛け捨てにするのが当たり前のはずです。自宅のセキュリティーのために警備保障会社に払う料金がもったいないからといって、警備保障機能に貯蓄機能を求める人など誰もいないでしょう。

 ところが、日本では今まで多くの人が保険を「貯蓄」だと誤解してきました。その結果、家計が苦しいなかから毎月何万円ものお金を保険に回し、「これで安心」と思い込んできた人が多かったのではないでしょうか。でも将来に向けて資金を蓄えるのと、万が一のために備えるという行為は本来まったく別物であり、前者が貯蓄、後者が保険のはずです。にもかかわらず、保険に何万円も掛けてきた人の多くは、なんとなく「掛け捨て」という言葉の響きに「もったいない」と感じるのではないでしょうか。

 結果として掛け捨てで「損をしたくない」と思う心が、もっと大きな損を呼び込んでいるということになるのです。

無駄な保険料が家計の最大の敵

 実は保険というのは、人生においては大変高い買い物です。公益財団法人生命保険文化センターが2015年の9月に発表した調査によると、日本で一世帯当たりの生命保険料払込金額は38万5000円だそうです。もしこの金額を30年間払い続けた場合、その合計額は1155万円にもなります。

 この大きな買い物をあまりよく考えもせずになんとなく続けているとしたら、こちらのほうがはるかにもったいない話です。現に保険を見直すことで、生活にゆとりが生まれ、新たに貯蓄を始める余裕が出てくることもしばしばあります。

大江英樹/経済コラムニスト

大江英樹/経済コラムニスト

1952年、大阪府生まれ。野村證券で個人資産運用業務や企業年金制度のコンサルティングなどに従事した後、2012年にオフィス・リベルタス設立。日本証券アナリスト協会検定会員、行動経済学会会員。資産運用やライフプラニング、行動経済学に関する講演・研修・執筆活動を行っている。『定年楽園』(きんざい)『その損の9割は避けられる』(三笠書房)『投資賢者の心理学』(日本経済新聞出版社)など著書多数。
株式会社オフィス・リベルタス

Twitter:@officelibertas

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