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住宅ローンの常識を破壊?名門企業をV字回復させたプロ経営者の「シンプル&大胆」な手腕

構成=小野貴史/経済ジャーナリスト
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住宅ローンの常識を破壊?名門企業をV字回復させたプロ経営者の「シンプル&大胆」な手腕の画像1アルヒの浜田宏社長

 国内最大手の住宅ローン専門金融機関であり、長期固定金利の住宅ローン【フラット35】の契約高シェアで、5年連続トップの実績を上げているアルヒ

 2015年1月に、デル日本法人社長やHOYA最高執行責任者(COO)などを歴任した浜田宏氏を顧問に招聘すると、5月には同氏が会長兼最高経営責任者(CEO)に就任、9月からは会長、社長、CEO、COOを兼任して辣腕をふるっている。

 浜田社長は、アルヒをどんな会社に育てようとしているのか。話を聞いた。

「誰も住宅ローンがほしいわけじゃなくて、家を買いたいんだ」

–資料を拝見する限り、社長就任に際して、「住宅ローンを取り扱うノンバンクという旧来型の業態を変革し、新たな業態をつくり出そう」という方針を持っていたのではないか。そんな印象がありますが、どんな構想を持って、社長に就任されたのでしょうか?

浜田宏氏(以下、浜田) アルヒは、売り上げの約90%を【フラット35】で稼いでいる会社です。しかし、今後は少子高齢化の進行と共に空き家が増える上、消費税が増税されれば、新築物件はさらに売れ行きが鈍るでしょう。中長期で住宅ローン市場を見れば、不透明感があります。【フラット35】だけに特化していると、市場と一緒に低迷してしまうかもしれません。

 そこで、ふと「住宅ローンとは、何か」と考えたのです。私は、長い間メーカーの経営に携わってきたので、住宅ローンについては素人ですが、消費者目線で考えた時に、当たり前ですが、「そうだ! 誰も住宅ローンがほしいわけじゃなくて、家を買いたいんだ」と気づきました。住宅ローンは、家に付随した商品であり、ワクワクして買うものではありません。お客様は、大量の書類や金利の計算などに直面して、「将来にわたって、こんなにお金を払うのか?」という気持ちになってしまいます。

 では、住宅ローンを扱う会社は、何をやる会社なのか? ワクワクして家を買い、新しい生活を始めるお客様のお手伝いをする会社である。それなら、上流にさかのぼって、家探しの段階からお手伝いしたらいいのではないか、と考えました。

–「上流」ですか?

浜田 そう、上流です。家探しからお客様に寄り添うことで、喜んでいただけるし、我々のブランドも覚えていただける上、全員ではないものの、住宅ローンも借りていただける。そういう発想で、「まず、上流に行こう」と考えました。

 そして、次に「もっと下流に行こうよ」と。今までは住宅ローンを貸して「はい、おしまい」でしたが、ローンはその後35年も続きます。

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