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安保徹「間違いやすい医学の常識」

ツラい関節痛や五十肩に原因があった!安静や鎮痛剤で痛み除去は危険?治りを遅らせる

文=安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士
ツラい関節痛や五十肩に原因があった!安静や鎮痛剤で痛み除去は危険?治りを遅らせるの画像1「Thinkstock」より

 五十肩膝関節痛、外反母趾、腱鞘炎などは、関節や関節を支えている靭帯、腱などが破壊されて起こる病気で、痛いのでつらい目にあいます。多くの人が苦しんでいるので、今回は病気の成り立ちと治し方について解説します。

 五十肩は原因不明とされていますが、片寝による肩関節の圧迫と血流障害によって起こると思われています。子供や若者は片側を向いて寝ても、自然に寝返りを打って肩関節の圧迫を防いでいます。しかし、40~50代に入ると無意識に起こる寝返りが少なくなります。このようにして肩関節の圧迫からくる血流障害と組織破壊が起こるわけです。

 破壊された組織は、プロスタグランジンの関与によって血流を増やし炎症を起こして治しにかかります。腫れと痛みを伴いますが、治るためのステップです。ここで大事なことは、関節が炎症を起こしているからといって、いつまでも安静にしていると治りにくいということです。関節は動くことによって機能や血流が維持されるという面があるので、可動する範囲内で痛くても少しずつ動かす必要があります。その努力をしないと治りが悪くなります。

 膝関節痛は悩まされる人が多いです。スポーツ選手が激しい運動をしても起こり、運動不足や肥満の人では、日常生活において膝関節に負担がかかることで起こります。相対的に膝関節が物理的力や体重に耐えられなくなって、膝の滑膜や靭帯の損傷が起こっています。ここでも、痛みを伴う炎症は治るためのステップとして起こっているので、消炎鎮痛剤で血流を止めたり、長く安静にすると治らなくなります。いつまでも杖に頼らず、可動する範囲でリハビリをすることが大切です。

可動する範囲で運動を続けることが大切

 整形外科の医師は、痛みがあると消炎鎮痛剤の飲み薬や湿布薬を出す傾向にありますが、プロスタグランジンの産生阻害剤である消炎鎮痛剤は血流を止める力もあるので危険な面があることを知っておきましょう。血流なしでは、関節の損傷を修復することはできません。

 関節は使いすぎても損傷しますが、使わなすぎても問題が起こります。それが外反母趾です。日本人は下駄や草履にかわって靴をはくようになったので、足の指を使う機会が減少しています。すると、足の親指中心に機能低下が起こります。可動性の減少です。そして、日常生活のなかで負担がかかった時、関節の損傷が起こります。このようにして、足の親指の関節炎が起こり、腫れが生じます。

安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士

安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士

1947年、青森県生まれ。東北大学医学部卒業。現在、新潟大学大学院医歯学総合研究科教授(国際感染医学講座免疫学・医動物学分野)。米国アラバマ大学 留学中の1980年に「ヒトNK細胞抗原CD57に対するモノクローナル抗体」を作製。89年、胸腺外分化T細胞の存在を発見。96年、白血球の自律神経 支配のメカニズムを初めて解明。国際的な場で精力的に研究結果を発表し続け、免疫学の最前線で活躍
医学博士安保徹 公式サイト

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