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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

移民だらけの収容島があった!カナダは流入激増で地域社会破壊、欧州では今夏10倍に増幅か

文=渡邉哲也/経済評論家
移民だらけの収容島があった!カナダは流入激増で地域社会破壊、欧州では今夏10倍に増幅かの画像1写真:The New York Times/アフロ

 昨年、中東から大量の難民・移民がヨーロッパに押し寄せたことが、世界的な話題となった。

 この難民問題をめぐっては、今年に入ってからも混乱が見られており、バルカン半島の国々が入国規制を強化したことで、難民がギリシャに滞留する事態も起きている。

 ヨーロッパには、シェンゲン圏と呼ばれる26カ国の中でヒト・モノ・カネの自由移動を認め、国境や税関などの物理的制限を設けない「シェンゲン協定」というルールがある。

 しかし、今は各国が国境を復活させたり、「ギリシャをシェンゲン協定から外す」という議論が生まれたりしており、かつて統合を目指したヨーロッパがバラバラになりつつある状況だ。

 そんななか、3月に欧州連合(EU)とトルコの間で、ある合意がなされた。トルコからギリシャに渡る難民や不法移民について、トルコに送り返すという内容だ。4月に入り、実際にギリシャからトルコへの難民の送還が始まっており、この難民対策の行方が注目を集めている。

オーストラリアにある“移民島”とは?

 さて、オーストラリアにクリスマス島という島がある。インド洋に浮かぶ、フィッシングでも有名な場所だ。オーストラリアといえば、古くから白人優先社会をつくり、非白人に対しては排除的な政策をとってきた。いわゆる「白豪主義」であり、それが国際的な批判を呼んだことも事実だ。

 また、オーストラリアはもともとイギリスの植民地であり、インドやカナダなどと並んで「イギリス連邦」の一部であることが知られている。そして、1997年に香港がイギリスから中国に返還される際、オーストラリアやカナダは香港からの移民を受け入れる方針を示した。そのため、多くの香港人たちが中国人になることを嫌い、オーストラリアやカナダに移民申請を行った。

 それまで、香港の人々はイギリス国民だったため、英語で教育を受けており、英語を話すことができる。そういった共通項が多いため、移民を受け入れても社会的な混乱には陥らないだろう。そういう目論見で、オーストラリアは移民を迎え入れた。

 また、香港以外に地理的に近いインドネシアから“ボートピープル”が押し寄せるなど、オーストラリアには、さまざまなアジア系およびポリネシア系の移民が入り込むことになった。

渡邉哲也/経済評論家

渡邉哲也/経済評論家

作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援、雑誌の企画監修、テレビ出演等幅広く活動しベストセラー多数、専門は国際経済から金融、経済安全保障まで多岐にわたり、100作以上の著作を刊行している。

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