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大江英樹「おとなのマネー学・ライフ学」

熊本地震、誰でもできる有効かつ新たな被災地支援とは?「返礼品なし」でふるさと納税

文=大江英樹/オフィス・リベルタス代表
熊本地震、誰でもできる有効かつ新たな被災地支援とは?「返礼品なし」でふるさと納税の画像1総務省 HP」より

 ふるさと納税が相変わらずブームのようです。このふるさと納税というのは本来、都市と地方の格差是正という目的で始まった制度です。たとえば都会に住む人などが自分の出身地や自分の好きな地方を支援したいという目的で寄付する。そしてその寄付のほとんどが自分の所得から所得控除されます。具体的にいえば、税金が安くなるということです。

 したがって、「納税」と名前はついているものの実態は「寄付」にほかなりません。特定の地方自治体へ寄付することによって、自分の住む地域へ納めるべき住民税や国に納める所得税が軽減されるのです。日本の税制には「寄付金控除」という項目がありますから、自分が寄付をすることによって税金が安くなるのです。

 このふるさと納税という名の寄付には、メリットが2つあります。一つは自分で税金の使い道を実質的に指定できるということです。たとえば、震災で被害を受けたところへ寄付をすると、その何割かは税金が戻ってきます。でも被災地援助には自分が寄付した金額がまるまる使われているわけですから、税金が戻ってきた分というのは、国がその分を支払っていることになります。つまり普通であれば自分の払った税金が何に使われているかわかりませんが、寄付をすることによって、いわば国に税金の使い道を指定するのと同じことになるわけです。

 もちろん税金を戻してもらうためには確定申告をしなければなりません。実はこれが2つ目のメリットです。つまり寄付→申告→税の還付という流れを体験することで、普段は税をほとんど意識することのない会社員が税のしくみを知ることができるのです。

 ふるさと納税ではこれらの2つのメリットに加えて、寄付をした自治体によっては、お礼にその地域の名産品や特産の農水産物などがもらえるという楽しみがあります。ふるさと納税の場合は寄付する金額と自分の収入にもよりますが、実質的に自分が負担する金額は多くの場合2000円ですから、いわばこうした各地のおいしいお米や立派な魚など、おいしいものがたった2000円で手に入るということになります。これが最近、ふるさと納税が急速に人気の出てきている大きな理由なのです。

大江英樹/経済コラムニスト

大江英樹/経済コラムニスト

1952年、大阪府生まれ。野村證券で個人資産運用業務や企業年金制度のコンサルティングなどに従事した後、2012年にオフィス・リベルタス設立。日本証券アナリスト協会検定会員、行動経済学会会員。資産運用やライフプラニング、行動経済学に関する講演・研修・執筆活動を行っている。『定年楽園』(きんざい)『その損の9割は避けられる』(三笠書房)『投資賢者の心理学』(日本経済新聞出版社)など著書多数。
株式会社オフィス・リベルタス

Twitter:@officelibertas

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