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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

「●●の食べ物は体に良い/悪い」のデタラメ…信じて実践するのは愚かな危険行為?

文=新見正則/医学博士、医師
「●●の食べ物は体に良い/悪い」のデタラメ…信じて実践するのは愚かな危険行為?の画像1「Thinkstock」より

 今回は食べ物のお話です。健康のために、何を食べるか、何を食べないかについてです。“極論君”は、テレビやラジオ、新聞、雑誌などの医療記事、そしてインターネットなどを逐一確認して情報を溜め込んで、良さそうだと思われる食材にどんどんと挑戦しているそうです。いろいろな媒体がいろいろなことを発信しているのですが、体に良さそうという情報が流れると即座に挑戦しているそうです。

 そこで“非常識君”が質問します。「今までいろいろと試して長く続いているものはあるのですか?」。極論君が答えます。「明らかにどれが良いかはわからないし、ひとつひとつの効果を丹念に調べる前に、次に良さそうといわれるものが出てくるので、それに挑戦している。確かに挑戦の連続だが、その中で実は長く続いている食材はひとつもない」と本当のことを吐露しました。

 そこで反対に、極論君が非常識君に食材の考え方について尋ねます。非常識君の答えは、「僕はまったく健康番組や健康記事を見ない。それを見始めると何が正しいかがわからなくなる」という答えです。

 確かにメディアから徹底的に距離を置くという非常識君らしい対応ですが、中身は極めて普通なことをしているようです。非常識君はこう言います。

「何が健康にとって良いかわからないのだから、僕はすべての食材が健康に悪い可能性があると思って接している。つまり、あるひとつの食材だけを取るのではなく、バランス良くいろいろな食材を食べるようにしている」

 この考え方は、実は的を射ているかもしれません。

「体に悪い」と思いながら食べるのはよい?

 そこで“常識君“がコメントします。

「最近流行の炭水化物制限ダイエットは、ある意味正しいと思う。なぜなら、炭水化物は巷に溢れていて、昔に比べてはるかに取り過ぎである。つまり、炭水化物も健康に悪い可能性が高い食材だと思って食べることは、健康にとってプラスだ」

 ちなみに炭水化物とは、米、麦、パン、パスタ、そば、うどん、餅などの主食、そして果物、甘いものです。そうですね。この30年間ぐらいで主食のレパートリーも増え、果物も美味しく安価になりました。そして甘いものに関してはたった100円で相当美味しいものがいつでも手に入るようになりました。

 確かに炭水化物は取り過ぎですね。そんなときに炭水化物は体に悪いと思いながら、でも美味しいご飯や果物、そしてチョコレートやデザート、和菓子などを食べることは健康にプラスですね。だって食べ過ぎませんからね。

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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