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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

暑い夏、水を一日2リットル飲まないと危険?いや、逆に極力飲んではいけない?

文=新見正則/医学博士、医師
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暑い夏、水を一日2リットル飲まないと危険?いや、逆に極力飲んではいけない?の画像1「Thinkstock」より

 今回は、一日に水分をどれくらい取るべきか、というお題で盛り上がっています。“極論君”は「2リットルから3リットル、いやそれ以上に可能な限りたくさん水分を取ることが健康にいい」という主張です。一方で、“非常識君”は「水分はできる限り取らないことが実は健康にはいい」という論調です。確かに医者から水分を積極的に取れと言われている人もいれば、なるべく制限するように指導されている人もいます。そしてメディアの論調もいろいろです。

 極論君は言います。

「水分を取らないと、血液がドロドロになって、そして血栓などができやすい。痛風発作も起こりやすい。そして過剰な水分は尿として、また汗として主に排出されるので、特段制限を設けずに水分を摂取することがいいはずだ」

 一方で非常識君は言います。

「水分が体に溜まってむくんでしまう人はたくさんいる。そして水をほとんど飲まなくても何年も生きている人がいるとも聞いたことがある。だから水分は極力少なくていいのだ」

 そこで、“常識君”がコメントします。

「水を取らなくても生きている人の多くは、実は水分を野菜や果物などから取っているのです。水分を一切口から取らないで人が生き続けることはありません」

アフリカ人の不思議

 まず、人間の体の不要な物は、尿として体外に排出されます。また、肝臓で解毒されて胆汁という液体として小腸に排出され、便と一緒に外に出ます。胆汁は実は便に色を付けている体液です。胆汁が出なくなると便は白色になります。汗として水分やミネラルなども排出されています。

 そして二酸化炭素は肺から排出されていて、呼気の中にも水蒸気が含まれているので、呼気からの水分排泄も無視できません。ちなみに犬は基本的に汗をかかないので、呼気から水蒸気を出すことで体温の上昇を防いでいます。つまり、消費される水、尿、汗、呼気、また胆汁などの消化液で便として排出される水分などを補わないと、カラカラになってしまうのです。

 汗は体温を下げるために必要です。ですから、暑い地域に住んでいる人は汗からの水分排泄を少なくするような知恵があります。まず、少々体温があがっても汗をかきません。そして汗をかくときはじわーっと少量の汗をかきます。

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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