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住宅ジャーナリスト・山下和之の目

マンション、異常な高騰止まらず販売急減速…安くても狭すぎる「格下げ」物件に要注意!

文=山下和之/住宅ジャーナリスト
マンション、異常な高騰止まらず販売急減速…安くても狭すぎる「格下げ」物件に要注意!の画像1「Thinkstock」より

 マンション価格が高くなりすぎて、消費者の様子見指向が強まっています。そのため、分譲会社は新規発売戸数を抑制していますが、それでも契約率は高まらず、厳しい状態が続いています。契約率を高めるためには価格を下げるのが手っとり早いのですが、それができない事情があります。

 そのため、このままでは専有面積の圧縮などの実質的なマンションの“格下げ”が始まりそうです。これは、決して“値下げ”ではないので、目先の数字だけに騙されてはいけません。

新築マンションの価格はどのように決まるのか?

 売れないのであれば、なんとかして価格を引き下げて売れるようにすればいいのですが、マンションの場合、それが簡単ではありません。

 新築マンションの値決めに当たっては、まず、

(1)土地の仕入れ値+(2)建築費+(3)分譲会社の経費・利益

の合計を弾き出して、適正な利益を確保できる販売額の総額を出します。それを分譲できる床面積で割ったものが平均坪単価になります。

 そこから、専有面積や立体的位置などに応じて個別住戸の価格を決定していくのですが、この(1)~(3)のいずれの要素も、引き下げられる環境ではありません。いやむしろ、当面上げざるを得ない環境にあるといっていいでしょう。

坪単価を引き下げられる環境にはない

 まず、(1)の土地の仕入れ値ですが、数年前からマンションの適地の地価上昇が始まり、ここ2~3年は駅前などの好立地の土地は以前に比べて5割増しから2倍の価格をつけないと落札できない状態といわれています。そうした高値で取得した土地に合わせて商品化計画を進め、これから販売が始まります。

(2)の建築費は円安で原材料費が高騰し、建設現場では専門職の人材不足から人件費が上昇しています。円安はおさまっているとはいえ、人材不足は変わらず、建築費は高止まりしています。

(3)の分譲会社の経費・利益は、リーマンショック後のリストラなどによって徹底的に削減が進んでおり、これ以上は難しいといわれています。

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