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山田まさる「一緒に考えよう! 超PR的マーケティング講座」

食べログで評価「無限大」の鰻屋?半年先まで予約満席、「情報による美味しさの鰻」論

文=山田まさる/インテグレートCOO、コムデックス代表取締役社長
食べログで評価「無限大」の鰻屋?半年先まで予約満席、「情報による美味しさの鰻」論の画像1
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 暑い。今年も猛暑になるようだ。この季節、栄養補給を兼ねてがっつり食べたいのは、やっぱり鰻(うなぎ)だろう。街を歩いていても、立ち食いそば屋さんから吉野家まで“鰻推し”のポスターが目を引く。そんな刺激を受けて「よーし! 今晩は鰻を食べよう」と俄然、その気になってさっそく「うなぎ」「東京」でインターネット検索にとりかかる。

 まずは、東麻布「五代目 野田岩」かなあ。白焼きと鰻重で6000円超かあ。東京で鰻といえば、「野田岩」「石ばし」「尾花」。こういう人気の名店は、普段から「待ち時間」ができている。ましてや土用の丑(うし)の日前後となれば、長蛇の行列ができるはずだ。

「並んでまで食べるのもなあ」と考えながら、ネット情報をさらに詳しく探査していくと、「東京のうなぎの名店34選。本当は教えたくないほど美味しいお店!」というサイトがヒット。なんと親切なガイド情報。そこにある34店舗を片っ端から「食べログ」フィルターでチェックしてみることにした。

 そのなかで一際目を引く、熱い書き込みが目立つお店があった。池袋の「かぶと」。こちら34選の2番目に登場。残念ながら、これまでご縁がなかった分だけ余計に気になった。

「かぶと」についての食べログの投稿には、「●●●●●【編注:星マーク】5.0の5点満点。●【同】=∞ここより美味い鰻ってあるのか? 代替わりしても衰えず…」と書かれている。

 星マークが5つでは飽き足らず「無限」なのか。そんなに美味しいのか。レビューの内容を詳しく読んでみると、この方は初回訪問から数えて5回も通って、レビューを次々に書き込んでいる。しかも、かなり短期間に、である。予約が取りづらい店のはずだが、この書き込みの主には、「予約にキャンセルが出ましたよ」「食べ比べ企画に来ませんか」とお店からお呼びがかかっている様子もうかがえる。なんとも、うらやましい。

 ほかの人のレビューを読んでみても、とにかく桁違いに評価が高く、どんどん期待が高まる。たとえば、「●●●●●【同】4.9鰻の神様からバトンを受けた藤森さんの今後に期待します!」といった具合だ。

 鰻の神様ってどんな人? 相当個性の強かったらしい先代の大将の話や、今年になって「藤森さん」と呼ばれる現在の主人に代替わりが行われたことが、複数のレビューから読み取れる。そして、代が替わっても味がしっかり守られていることを、常連客の皆さんが評価しており、「藤森さん」に対する温かい激励の気持ちが行間に滲み出ている。食べログの総合評価点数4.36、ランキングTOP50はさすがである。

山田まさる

山田まさる

株式会社インテグレートCOO、株式会社コムデックス代表取締役社長

1965年 大阪府生まれ。1988年 早稲田大学第一文学部卒業。1992年 株式会社コムデックス入社。1997年 常務取締役、2002年 取締役副社長就任。2003年 藤田康人(現・株式会社インテグレートCEO)とB2B2C戦略の立案に着手。2005年 食物繊維の新コンセプト「ファイバー・デトックス」を仕掛け、第2次ファイバー・ブームを巻き起こした。同キャンペーンは、日本PRアワードグランプリ・キャンペーン部門賞を受賞。2007年5月、IMC(Integrated Marketing Communication)を実践する日本初のプランニングブティックとして、株式会社インテグレートを設立、COOに就任。2008年 株式会社コムデックス 代表取締役社長に就任。同年「魚鱗癬」啓発活動にて日本PRアワードグランプリ・日常広報部門最優秀賞受賞。著書に『スープを売りたければ、パンを売れ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『統合知~“ややこしい問題”を解決するためのコミュニケーション~』(講談社)、『脱広告・超PR』(ダイヤモンド社)がある。


株式会社インテグレート

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