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山田まさる「一緒に考えよう! 超PR的マーケティング講座」

卓球「水谷隼カレー」で無名時代からスポンサー契約のフリーデン社は、メダル級のPR戦略

文=山田まさる/インテグレートCOO、コムデックス代表取締役社長
卓球「水谷隼カレー」で無名時代からスポンサー契約のフリーデン社は、メダル級のPR戦略の画像1フリーデンが販売している「水谷隼カレー」

 17日間の熱戦が繰り広げられたリオデジャネイロ・オリンピック(リオ五輪)が終わった。皆さん、感銘を受けた、感動のシーンはそれぞれだろう。私は個人的に、男子テニスの錦織圭の銅メダル、特に準々決勝、対ガエル・モンフィスの試合に感動した。そのほか、男子体操総合の内村航平の2連覇、女子レスリングの伊調馨の4連覇など、期待に応えて結果を出したトップアスリートたちがいた。

 一方で“意外”と言っては失礼だが、予想をはるかに超えて日本中を熱狂させた競技といえば、男子卓球ではないだろうか。卓球シングルスでの水谷隼の銅メダル獲得は、男女通じて日本人初の快挙であり、ロンドン五輪の女子団体メダルに続いて、男子の団体戦では銀メダルを獲得した。

 団体決勝では、チームとしては中国に敗れはしたが、水谷はこれまで一度も勝ったことのなかった許昕(きょきん)を破った。許は、ほか3人の中国人選手と共に、卓球界では“ビッグ4”と呼ばれている。この4人に対して、水谷はこれまで0勝33敗という戦績であったことからも、今回の勝利は大金星といえる。

「リオ五輪で知名度と好感度が一気にジャンプアップした選手は誰か?」と問われれば、多くの人が一番に水谷の名を挙げるのではないだろうか。水谷はすでに五輪は3度目の出場で、子供の頃から日本の卓球界をリードしてきた実力者であるが、福原愛や石川佳純などが活躍する女子卓球チームに比べて、人気や注目度は劣勢だった。その状況を今回、一気に覆した。

 シングルス準決勝で敗れはしたが、圧倒的強さを誇る世界ナンバーワン、中国の馬龍(まりゅう)とのラリーには感嘆した。「こんなことができるのか」と目を疑うような高度な技術の応酬、わずかな打ち損じも許さない緊迫感が試合会場を支配し、観客はもちろん、テレビを通じて観戦している私たちも圧倒された。

 もともと実力のあったアスリートが一気に脚光を浴びたのは、ラグビーワールドカップ後の五郎丸選手と重なるところがある。プロスポーツ選手としてのバリューも大きくアップしたはずだ。きっと今後、彼のようにビールやらチャーハンやら、さまざまな企業から広告出演のオファーがくるだろう。

「水谷隼カレー」で水谷を応援

 ここで私は、そんな水谷をブレーク前から応援してきた企業に注目したい。その名は「フリーデン」。年商203億円、神奈川県に本社を置く、豚肉の生産・加工・販売、またハム・ソーセージなどの加工食品の製造販売などを手がける食品メーカーである。

 そして、冒頭の画像が「水谷隼カレー」だ。

山田まさる

山田まさる

株式会社インテグレートCOO、株式会社コムデックス代表取締役社長

1965年 大阪府生まれ。1988年 早稲田大学第一文学部卒業。1992年 株式会社コムデックス入社。1997年 常務取締役、2002年 取締役副社長就任。2003年 藤田康人(現・株式会社インテグレートCEO)とB2B2C戦略の立案に着手。2005年 食物繊維の新コンセプト「ファイバー・デトックス」を仕掛け、第2次ファイバー・ブームを巻き起こした。同キャンペーンは、日本PRアワードグランプリ・キャンペーン部門賞を受賞。2007年5月、IMC(Integrated Marketing Communication)を実践する日本初のプランニングブティックとして、株式会社インテグレートを設立、COOに就任。2008年 株式会社コムデックス 代表取締役社長に就任。同年「魚鱗癬」啓発活動にて日本PRアワードグランプリ・日常広報部門最優秀賞受賞。著書に『スープを売りたければ、パンを売れ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『統合知~“ややこしい問題”を解決するためのコミュニケーション~』(講談社)、『脱広告・超PR』(ダイヤモンド社)がある。


株式会社インテグレート

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