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石堂徹生「危ない食品の時代、何を食べればよいのか」

大手スーパー等、納入メーカーから奴隷的搾取の実態…不当な協賛金&社員派遣要請

文=石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト
大手スーパー等、納入メーカーから奴隷的搾取の実態…不当な協賛金&社員派遣要請の画像1「Thinkstock」より

生ものだから儲からない?!

 本連載前回記事では、食品製造業の5つの特徴をみてきたが、そのなかでも最も顕著な特徴である「儲かりにくい」理由について、今回は考察していきたい。

 なぜ、食品製造業は儲からないのか。その理由を明確に指摘した研究は見つからないため、今回改めて整理してみる。

 ひとつ参考になるのが、『食品製造業』【編注11】という出版物の次の一節だ(以下は、利益との因果関係を示したものではない)。

「食品製造業では、原材料、半製品、製品などの棚卸資産(在庫。企業が販売目的で一時的に保有している商品・製品、原材料、半製品、仕掛品などの総称)が鉱物などではなく生ものである点で、他の製造業と大きく異なっている」

 生ものである場合、(1)原料の入手時期に季節性がある、(2)生産数量が原料の豊凶の差に依存、(3)保存性が乏しい、(4)腐敗しやすく、品質維持が困難、(5)安全性が求められるなどのデメリットがある反面、加工しやすいというメリットもある。

 デメリットをカバーするために、さまざまな工夫やコストがかかり、それが収益を圧迫するのではないか。

 また、食品製造業では、原材料への依存度が高く、もともと原材料がコスト高になりやすい。さらに工業製品に比べて加工度が低く、商品としての独自性を発揮しにくいことから、簡単に真似されやすいことなども、低収益性に関係しているようだ。

バイイングパワーの“たかりの構造”

 スーパーなど大規模小売業者が安く大量に仕入れることが可能なバイイングパワー(優位な仕入れ力・購買力)は、消費価格の引き下げなど消費者のメリットもある。しかし、その「優越的地位の濫用」【編注12】によって、取引先に対して不当に不利益を与えることは公正な競争を阻害するおそれがあるとして、独占禁止法によって禁止されている。

 特に大規模小売業者については、特定業種にのみ適用される不公正な取引方法(特殊指定)のひとつとして、「優越的地位の濫用」の規定【編注13】が置かれている。

 ところが、地位濫用の悪習は一向になくなる気配がない。低価格競争が激化すれば、なおさらか。食品産業界(食料品・飲料製造業)唯一の中核的・横断的団体「食品産業センター」の調査【編注14】によれば、地位濫用の主な方法は3つだ。

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

1945年、宮城県生まれ。東北大学農学部卒。養鶏業界紙記者、市場調査会社などを経て、フリーに。現在、農業・食品ジャーナリスト

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