ビジネスジャーナル > ライフニュース > 適正体重や理想体重は無意味?
NEW
新見正則「医療の極論、常識、非常識」

適正体重や理想体重、無意味で非科学的?日本の「肥満」の定義は厳しすぎる?

文=新見正則/医学博士、医師
適正体重や理想体重、無意味で非科学的?日本の「肥満」の定義は厳しすぎる?の画像1「Thinkstock」より

 今日は、適正体重の話で盛り上がっています。“極論君”は「適正体重、または理想的な体重に極力合わせる」という主張で、“非常識君”は「特段に困っていなければ太っていても構わない」という論調です。

 適正な体重を求める方法は、昔からいろいろと考えられていきました。一番簡便な方法は引き算だけ導き出せるもので、「適正体重=身長-110」です。身長が150cmの人は 40kg、160cmの人は50kg、170cmの人は60kgとなります。高身長の人には良さそうに思えますが、身長が低いと少し適正体重が軽すぎになります。そこで、「適正体重=身長-105」というのもあります。身長が150cmの人は45kg、160cmの人は55kg、170cmの人は65kgとなります。

 また、「適正体重=(身長-100)×0.9」というのもあります。こうなると引き算だけではなく、かけ算が加わります。これでは、身長が150cmの人は45kg、160cmの人は54kg、170cmの人は63kgです。これは、さらに良さそうですね。

 最近の世界的な流れは肥満度を示す体格指数のBMIで、 「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で、18.5から25が正常範囲となります。これは世界的なコンセンサスです。

【適正体重の下限(BMI=18.5)】
・身長1.5m:18.5×1.5×1.5=41.6kg
・身長1.6m:18.5×1.6×1.6=47.4kg
・身長1.7m:18.5×1.7×1.7=53.5kg

【適正体重の上限(BMI=25)】
・身長1.5m:25×1.5×1.5=56.3kg
・身長1.6m:25×1.6×1.6=64.0kg
・身長1.7m:25×1.7×1.7=72.3kg

 また、BMI18.5~25の真ん中当たりの22を最適値として、「理想的な体重=22×身長(m)×身長(m)」とすることもあります。

・身長1.5m:22×1.5×1.5=49.5kg
・身長1.6m:22×1.6×1.6=56.3kg
・身長1.7m:22×1.7×1.7=63.6kg

難しい「理想的な体重」

 極論君の意見は、この理想的な体重に極力近づけようというものです。そこで、非常識君の質問です。

「理想的な体重は、年令や性別は無関係でいいのですか。どうも杓子定規な値に思えます。ひとつの目安とするには異論はありませんが、その値を目標とする根拠はありますか?」

 常識君がコメントします。

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

適正体重や理想体重、無意味で非科学的?日本の「肥満」の定義は厳しすぎる?のページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!