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佐川急便社員自殺で労災認定、ドンキは異常な長時間残業で書類送検、関電で過労自殺

文=横山渉/ジャーナリスト
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佐川急便社員自殺で労災認定、ドンキは異常な長時間残業で書類送検、関電で過労自殺の画像1ドン・キホーテ店舗(撮影=編集部)

 今年で第5回となる「ブラック企業大賞」のノミネート企業が発表された。ノミネートされたのは、電通、ドン・キホーテ、関西電力、佐川急便など10社。12月23日(金)に行われる“授賞式”で、この10社の中から“ワースト企業”である大賞ほか各賞が発表される。誰でも事前にウェブサイトから投票することもできる。

 ブラック企業大賞は、日常的に労働相談に取り組んでいる弁護士や市民団体、ジャーナリストなどで構成された企画委員会によって実施されている。ブラック企業の定義について、企画委は「労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業」「パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人」としている。

 竹信三恵子委員(和光大学教授)は、企業のノミネート理由の多くが長時間労働やパワハラだったとしている。「日本の会社のよくある労務管理の仕方がつもりつもった結果という事例が多かった。当たり前だと思っていた積年の体質が問題点としてきっちり表面化して来た」とまとめた。

過労自殺、異常な長時間労働が横行

 では、今年ノミネートされた10社について具体的に何が問題だったのか、簡単に紹介する。

 JASDAQ上場の棚卸し代行業者、エイジスは従業員63人に月100時間超の残業をさせていたとして、千葉労働局から是正勧告を受けた。また、厚労省から行政指導を受け、全国で初めて企業名が公表された。

 電通では、新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が昨年末に過労自殺した。今年11月7日には同社に東京労働局の強制捜査が入り、大規模な家宅捜索が行われた。

 ドン・キホーテは都内の従業員6人に違法な残業をさせていたとして、書類送検された。ひどい例では、3カ月で415時間の時間外労働もあった。

 プリントパックは「ネットでいんさ~つ」のテレビCMが有名だが、2013年に労働組合が結成された後、組合員に対する配転命令やボーナスを支給しないなどの扱いをしていた。今年7月に京都府労働委員会から不当労働行為と認められた。

 関西電力では、高浜原発1、2号機の運転延長申請を担当していた管理職の男性が今年4月に自殺した。過労自殺として労災認定された。1カ月の残業が200時間を超える月もあった。

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