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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

不動産投資のプロの私がまさかの失敗か…具体例で学ぶ、「絶対に半分は成功する」方法

文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役
不動産投資のプロの私がまさかの失敗か…具体例で学ぶ、「絶対に半分は成功する」方法の画像1マレーシア・クアラルンプール(「Thinkstock」より)

 私は2012年初頭に、マレーシア・ジョホールバル(以下、JB)にて不動産を購入しました。その理由は、現在進められているイスカンダル計画によって一大都市圏が開発され、人口が増加し、不動産価格が上昇してキャピタルゲインが得られる期待があったからです。

 しかしあれから約5年、2017年を迎えた現在、当時の判断は半分間違っていたのではないかという疑念を抱いています。それは、不動産価格が上昇するどころか、JBは廃墟の街になりそうな懸念があるからです。

 イスカンダル計画は、シンガポールの中心街から車で30~40分にあるJBの大地を切り開き、06年~25年にかけてシンガポールと共同で複合経済都市を開発するというのものです。そのメインとなるイスカンダル重点開発エリアには、コンドミニアムや戸建て村、オフィスビルはもちろん、大学やインターナショナルスクールなどの教育施設、ショッピングモール、娯楽施設や医療施設などが建設される予定です。

 衣食住すべてにおいて満足できるインフラを整えることで、シンガポールからだけでなく、華僑やインド系、旧宗主国のイギリスや、イスラム国家としては最先進国としてイスラム圏からも人を呼び込み、香港-深センの関係のような、シンガポールと一体となる都市として発展させるビッグプロジェクトです。

 当初はその壮大な計画に、現地の人だけでなくシンガポール人も「どうせ頓挫するだろう」と思っていたそうです。これは投資家も同じで、日本人投資家のなかにも、イスカンダルプロジェクトは日の目を見ないと主張する人は少なくありませんでした。

 本連載前回記事では、その懸念が現実化している実態について紹介しましたが、今回は、いよいよこのイスカンダル計画が廃墟と化す可能性について、考えてみたいと思います。

イスカンダルはそして廃墟に

 中国の内陸都市では、マンションばかり建っているものの、誰も人がおらず、夜もどの部屋にも明かりがついてない廃墟地域が増えていると聞きます。有名なのが内モンゴル自治区のオルドス市でしょう。

 もちろん、JBにはそれなりの人口があるため同じようにはならないとしても、街中ではたくさんの人がにぎわっている一方で、ガラガラの高級コンドミニアムが多数放置されている、という状況にならないとは限りません。

 いや、少なくともイスカンダル・プテリ地区(旧ヌサジャヤ地区)においては、当面の間はゴーストタウンが続く可能性が高いなという印象です。今でも夜は真っ暗です。

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 1971年、岡山県瀬戸内市牛窓町生まれ。岡山県立岡山城東高等学校(第1期生)、中央大学経済学部国際経済学科卒。米国公認会計士。
 東京都内の会計事務所、コンビニエンスストアのミニストップ本部を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして勤務。
 2006年、不動産仲介を手掛ける株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。2008年、ビジネスパーソンを対象に、「話す」声をつくるためのボイストレーニングスクール「ビジヴォ」を秋葉原に開校。2015年に株式会社エデュビジョンとして法人化。不動産コンサルティングや教育関連事業などを手掛けつつ、個人投資家、ビジネス書作家、講演家としても活動している。

Twitter:@tokiogodo

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