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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

セカンドオピニオンの罠?余計な情報入り混乱や、病院との信頼壊れ患者が損?

文=新見正則/医学博士、医師
セカンドオピニオンの罠?余計な情報入り混乱や、病院との信頼壊れ患者が損?の画像1「Thinkstock」より

 今回はセカンドオピニオンのお話です。“極論君”は「がんや心臓病などの大きな病気になったら、複数の医者の意見を聞いて、その上で一番良いと思われる施設にお世話になる」という意見です。一方で“非常識君”は「医療は運と縁だから、最初に行った病院、かかりつけ医の先生が紹介してくれた病院を信じて、そのままお世話になる」という心づもりです。

“常識君”のコメントです。

「昔は、かかりつけ医の先生から紹介された病院があると、そこの先生の治療に盲目的に従っていました。病院を変更したり、他の先生の意見を聞くなどということは、その病院を信じていないようで、また病院にそう思われると、患者サイドが損をすると感じて、あからさまに他の病院の意見を聞くなどということは口にできませんでした。ところが、21世紀になって日本でもやっとセカンドオピニオンという言葉が普及してきました。第2の意見を聞くということです。今やセカンドオピニオンを実施していない病院は一流ではないと思われますし、また快く患者サイドのセカンドオピニオンの申し出に、今までの検査や経過をしっかり記載して応じないと、三流病院と認識されるまでになりました。本当に世の中はこの20年で変わりました」

 ここで非常識君の意見です。

「どこの病院に行っても、日本の医療は世界最高水準だからあまり大差はないと思う。そして、かかりつけ医の先生が紹介してくれた病院だから、間違ってはいないと思う。そうであれば、ご縁があった病院にお任せして、余計な情報が入らないほうが、しっかりと闘病できて、治療を受けるほうも、治療を施すほうも、良い信頼関係ができると思っている」

 極論君の意見です。

「医療は情報戦です。そして、病院によって技量に差があることは当然です。まず、今治療を行っている病院の判断が妥当かどうかを知りたいのです。3カ所ぐらいで意見を聞いて、すべての病院が同じ治療を示すのであれば、その中からより良い病院を選べばいいと思っています。もしも治療方針が異なるときは、さらに多くの病院の意見を聞きます」

セカンドオピニオンの意義

 ここで非常識君の質問です。

「いろいろな意見が出たらどうするのですか。素人判断でどれが正しいかはわかりかねます」

 極論君の意見です。

「そんな時は、かかりつけ医の先生と相談します。かかりつけ医の先生は医療の専門家ですから、その先生と相談して最良の治療を選びたいと思っています」

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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