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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

中国、外国人就業者を勝手にABCランク選別制度を導入…学歴や年齢で差別

文=鷲尾香一/ジャーナリスト
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中国、外国人就業者を勝手にABCランク選別制度を導入…学歴や年齢で差別の画像1「Thinkstock」より

 中国で“トンデモない制度”が4月から本格スタートする。

 国家外国専門家局が進める「外国人来華就業許可制度」だ。何がトンデモないのかといえば、中国で働く外国人就業者をABCにランク分けし、Cランクについては就業規制を行おうというのだ。

 つまり、「中国政府が外国人を勝手につくった基準で能力ランク付けを行い、中国国内で働ける外国人を選別する」わけだ。この制度は、すでに昨年末から試行がスタートしており、4月から本格導入される。

 さて、ABCランクの具体的な基準は以下のとおり。

【Aランク(ハイレベル人材)】

・中国の中央・地方政府の国際人材導入計画で選定される人材
・国際的に公認された専門認定基準に適合する人材
・市場動向に精通した外国人材
・イノベーション・起業人材
・優秀な青年人材
・ポイント制で85点以上の者

※上記のいずれかに該当する者、以下同

【Bランク(専門人材)】

・学士以上の学位および2 年以上の関連実務経験を持ち、一定の基準を満たす者
・中国の大学で修士以上の学位を取得した優秀な卒業生
・世界ランキング100 位以内の外国の大学において修士以上の学位を取得した卒業生
・外国語の教員
・ポイント制で60点以上85点未満の人材

【Cランク(一般人材)】

・行政機関の許可または授権により雇用した者
・中国と外国政府の間の国家間協議に基づき雇用した者
・政府間協議に基づいてインターンを行う外国人青年
・ハイレベル人材とともに中国に来る家政サービスに従事する外国人
・遠洋漁業などの特殊な分野に従事する外国人
・季節性労務に従事する外国人
・その他、職位の割当管理が行われる外国人で、中国の労働市場の需要を満たし、国の政策の規定に適合する臨時的、季節的、特別な技能を持たない、あるいはサービス業務に従事する一般外国人

ポイント制

 AランクとBランクに登場する「ポイント制」とは、中国政府当局が作った基準で、以下の項目ごとに段階を区切り、ポイントを付与したもので、この合計ポイントがAとBのランクの選抜基準として採用されている。

・中国国内で得る年俸(5万元未満から45万元以上)
・教育程度または国際的な職業資格の証明書(博士または博士相当、修士または修士相当、学士または学士相当)
・1年当たりの勤務時間(3カ月未満から9カ月以上)
・中国語レベル
・年齢(18歳以上から60歳以上)
・世界的に有名な大学を卒業したか、グローバル500に選ばれた企業に就職した経験

鷲尾香一/ジャーナリスト

鷲尾香一/ジャーナリスト

本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。

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