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高橋篤史「経済禁忌録」

たかのビューティやミュゼなどを次々買収する「破天荒企業」の正体

文=高橋篤史/ジャーナリスト
たかのビューティやミュゼなどを次々買収する「破天荒企業」の正体の画像1ミュゼプラチナム本社が所在する東京・恵比寿プライムスクエア(「Wikipedia」より/Eurotuber)

 脱毛サロン大手の次は老舗のエステサロン大手――。

 東証2部上場のシステム開発会社、RVHが畑違いの大型買収で不気味な膨張を続けている。昨年初めに「ミュゼプラチナム」を傘下に収めたのに続き、この2月22日には「たかの友梨ビューティクリニック」を展開する不二ビューティ(東京都渋谷区)を完全子会社化した。が、破竹の勢いを見せるRVHの背景を調べると、キナ臭い話がごろごろと出てくるのである。

 RVHは元の社名をリアルビジョンという。3次元画像向け半導体の開発を目的に1996年に設立され、2000年に東証マザーズに上場した。しかし、業績はぱっとせずその後は赤字続き。そんななか、資本提携先で大株主のソリトンシステムズが12年に保有する全株をジャスダック上場のシスウェーブホールディングス(後にSOL Holdings、現ソルガム・ジャパン・ホールディングス)に対し売却したのを契機に、大株主が目まぐるしく変わるようになった。

 今日の大型買収戦略が始まったのは、14年6月に沼田英也氏が社長に就任してからだ。同年11月に子会社化したのは、弁護士事務所向けに広告代理業を営むDSCという会社だった。さらに経営不振に陥っていたミュゼプラチナムの運営会社ジンコーポレーションのスポンサーとなり、受け皿会社によって脱毛サロン事業を引き継いだ。これらにより以前は2億円程度しかなかった売上高が急増、17年3月期には400億円に達する見込みだ。これだけを見れば、立派な急成長企業である。

 ところが、これまでの沼田氏の歩みや、大株主が変転し続ける周辺事情を探ると、眉をひそめたくなるような数々の事実にぶち当たる。

「ですから、反社会的勢力です」

 有価証券報告書などの経歴によると、1967年生まれの沼田氏は第一火災海上保険を振り出しに新興証券会社などで勤めたとされる。しかし、そこには出ていない過去がある。2005年3月、沼田氏は「エイチエムワン」なる有限会社を東京・西新橋で設立している。そして同社はあるゴルフ場の買収をめぐる不透明なカネの流れで重要な役割を果たしていたのである。のちにそれは当事者間でトラブルとなり民事裁判に発展した。

 裁判記録によれば、こういうことだ。

高橋篤史/ジャーナリスト

高橋篤史/ジャーナリスト

1968年生まれ。日刊工業新聞社、東洋経済新報社を経て2009年からフリーランスのジャーナリスト。著書に、新潮ドキュメント賞候補となった『凋落 木村剛と大島健伸』(東洋経済新報社)や『創価学会秘史』(講談社)などがある。

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