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アイスクリーム、人体に悪影響の懸念…発がん性、動物実験で内臓肥大の添加物使用の恐れ

文=郡司和夫/食品ジャーナリスト
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アイスクリーム、人体に悪影響の懸念…発がん性、動物実験で内臓肥大の添加物使用の恐れの画像1「Thinkstock」より

 アイスクリームほど“わかりにくい”食品はありません。乳成分が少なくなるほど、添加物の使用が多くなるのかといえば、そうでもないからです。

 アイスクリームは、乳固形分(水分を除いた乳成分)が3.0%以上含まれている氷菓子の総称で、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」によると、乳固形分が多い順に「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」に分類されます。

 また、乳固形分3.0%未満のものは、食品衛生法で「氷菓」と規定されています。30年以上の大人気商品の「ガリガリ君」(赤城乳業)や、果汁などを使ったアイスキャンデー、シャーベットは氷菓です。しかし、氷菓も一般的には「アイス」と呼んでいます。「コンビニでアイス買ってくるけれど、『ガリガリ君』でいい?」といった具合に使っている方も多いでしょう。

 乳等省令では、乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪分8.0%以上のものが「アイスクリーム」と規定されています。「乳成分が多いので風味がよく、栄養分も豊富」と業界では宣伝しています。確かに、そうしたアイスクリームもあります。しかし、「アイスクリーム」だからといって、添加物の不安がないわけではありません。

「ハーゲンダッツ」のように、使われている添加物は香料のみという商品もある一方で、大手菓子メーカーの商品でも添加物が豊富に入っているアイスクリームもあります。購入する際には、しっかりと原材料名表示を確認することが大事です。

アイスクリームに使われている添加物の例

 ある商品に表示されている添加物を見てみると、「加工デンプン、乳化剤(大豆由来)、安定剤(増粘多糖類)、カラメル色素、香料、甘味料(アセスルファムK)」と表示されています。ただし、実際に使用されている添加物数は、表示の3倍以上あるというのが業界の常識です。

 たとえば「加工デンプン」は、天然のでんぷんにプロピレンオキシドなどの化学薬品を加えて合成したもので、本来ならば「合成デンプン」と表示すべきです。怖いのはこの「合成デンプン」は、自然界には存在しない「合成たんぱく質」をいつ生成しても不思議ではないことです。生成された「合成たんぱく質」が、人にどんな影響を与えるかは誰もわかりません。それにもかかわらず、「加工デンプン」として表示できる添加物は11品目もあるのです。

 2008年に加工デンプンとして表示することが認められたのは、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプンの11品目です。欧州食品科学委員会(SCF)は、このうちプロピレンオキシドを使って製造された加工デンプンについて、「乳幼児に使うべきではない」と警告しています。

 加工デンプンは、ここ数年、非常に使用量が増えています。ジャガイモなどからつくられる天然のでんぷんとはまったく別物ですので、くれぐれも勘違いしないようにしてください。

「乳化剤」は、牛乳中の脂肪分を均一に混ぜるための添加物で、アイスクリームでは大豆レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビンタン脂肪酸エステルなどがよく使われています。大豆レスチン以外の乳化剤は要注意です。グリセリン脂肪酸エステルはハムスターの実験で肝臓肥大、腎臓の石灰化の報告があります。また、ソルビタン脂肪酸エステルは動物実験で肝臓、腎臓の肥大が見られたほか、染色体異常の報告があります。

「安定剤(増粘多糖類)」は、組織をなめらかにし、保形成をよくする添加物です。増粘多糖類と表示されている場合は、複数の増粘剤が使用されています。何が使われているかは、メーカーが情報公開しない限り、消費者が判断することはできません。仮にトラガントガムやカラギーナンが使われている場合、いずれも発がん性が指摘されているので気をつけなければなりません。

「カラメル色素」は、昔ながらの砂糖を熱してつくられたI型カラメル色素以外は要注意です。たとえば、尿素を使って大量生産されたカラメル色素からは、発がん物質が生成されています。

「香料」は、バニラアイスの場合、主に使用されているのは合成香料の「バニリン」と推測されますが、一般的に香料成分は食品メーカーの最高機密とされています。どんな匂いを出すかで、ヒットするかどうかが決まるからです。通常、香料として10種類くらいの化学物質が調合されています。バニリンもそのなかのひとつです。バニリンは、動物実験で成長障害、肝臓、腎臓、脾臓肥大の異常が観察されています。匂いに騙されてはいけません。

「甘味料」に合成甘味料のアセスルファムK(カリウム)が使われているものは、アイスに限らず食べないほうが無難です。砂糖の約200倍の甘さがあり低カロリーとされていますが、犬に2年間食べさせた実験ではリンパ球の減少が見られています。つまり、免疫系統へのダメージが心配されるのです。
(文=郡司和夫/食品ジャーナリスト)

郡司和夫/食品ジャーナリスト

郡司和夫/食品ジャーナリスト

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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