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江間正和「飲食業界を“数字と現場”で科学する」

なぜ、あの飲食店は繁盛し続けているのか?半年で潰れる店との「決定的違い」とは?

文=江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部代表
なぜ、あの飲食店は繁盛し続けているのか?半年で潰れる店との「決定的違い」とは?の画像1「Thinkstock」より

飲食店って、開業からどれくらいで軌道に乗るんですか?」

 これは、筆者がよく聞かれる質問のひとつです。オーナーも従業員も、気になるところですよね。2店舗目や、すでに何かしらの基盤があって見込み客がいるとか、どうみても立地がいい場合、多くのマスコミで取り上げてもらえる場合を除いて、明るい兆しが見えるまではどんなに早くても半年、通常ですと1年以上かかります。“オープン景気”ではじめの1カ月間くらいは、繁盛している雰囲気がありますが、2~3カ月目には店内は落ち着き、空席も目立ち始め、店側は不安を覚えるようになります。

 そして、はじめの1年くらいで繁盛店への軌道に乗れればラッキーで、そのためには今の時代、「受け身」や「待っているだけ」では難しいと思います。「能動的」「戦略的」に攻めていくことが必要となります。周りを見回しても、街にはとても多くのお店が存在します。このなかで最終的に生き残れるお店は半分以下でしょう。つまり「平均的なやり方」では、先々5割以上の確率でそのお店はなくなってしまいます。

 さらに、軌道に乗るために攻めるペースも、おちおちしていられません。いつも引き合いに出す例として、想定したよりお客が1日1組少ないだけで、1万円/日くらい売上が減っていきます(客単価@4000円×2.5人/組)。材料費を除いた粗利で7000円くらい想定より足りないことになります。1カ月25営業日で17万5000円の赤字です。1年後には210万円足りなくなります。初期投資で借金を抱えてスタートしたにもかかわらず1年で210万円手持ち資金の流出が起こります。オープン時に手元資金・運転資金として200万円くらい用意していたとしても、1年でなくなってしまいます。

 想定より1日2組も客が少なければ、運転資金の寿命は半年となります。個人事業主の場合、何百万円もお金を残して事業をスタートできる人は少数です。みなさんスタート時点で物件取得費や内装や備品取得費にけっこう使ってしまい、カツカツの状況であることも多いので、うかうかしていると運転資金が足りなくなり半年以内に潰れてしまいます。

 ですので、少しでも早く軌道に乗せるために「どれだけ魅力があるお店」で「どれだけ多くの人に知ってもらい」「どれだけ多くの人にリピーターとなってもらえるのか? 口コミで拡散してもらえるのか?」を考え、自分のお店に合った対策を立てなければなりません。それができたお店だけが、1年後くらいに軌道に乗ってきた実感を味わうことができます。

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

江間正和/飲食プロデューサー、東京未来倶楽部(株)代表

東京未来倶楽部(株)代表
5年間大手信託銀行のファンドマネージャーとして勤務後、1998年独立。14年間、夜は直営店(新宿20坪30席)ダイニングバーの現場に出続けながら、昼間、プロデューサー・コンサル業。コンサル先の増加と好業績先の次の展開のため、2012年5月からプロデューサー・コンサル業に専念。
「数字(経営者側)と現場(スタッフ・オペレーション)の融合」「各種アイデア・提案」が得意。また、現場とのメニュー開発等、自称<「実践」料理研究家>。
・著書:『ランチは儲からない、飲み放題は儲かる』『とりあえず生!が儲かるワケ』『ド素人OLが飲食店を開業しちゃダメですか?』

Instagram:@masakazuema

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