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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

カップ麺、食べてはいけない可能性…国が注意喚起へ マスコミが報じない医療のはなし

文=新見正則/医学博士、医師
カップ麺、食べてはいけない可能性…国が注意喚起へ マスコミが報じない医療のはなしの画像1「Thinkstock」より

 5月、国立研究開発法人の医薬基盤・健康・栄養研究所は、日本人が食塩を摂取する源となっている食品の1位は「カップ麺」だと発表し、「食塩の取りすぎが血圧の上昇と関連があることが明らかになっており、注意してほしい」と呼びかけた。今回はこの話題で盛り上がっています。

“常識君”の解説です。

「食塩の取りすぎが血圧の上昇と関連していることは明らかで、世界保健機構(WHO)は成人の食塩摂取量の目標値を1日当たり5グラム未満とすることを強く推奨しています。日本人の目標値は成人男性が8グラム未満、女性が7グラム未満となっています。そして厚生労働省の国民健康・栄養調査のデータを基にランキングを作成すると、1位がカップ麺で5.5グラム、2位がインスタントラーメンで5.4グラム、3位が梅干しで1.8グラム、4位が高菜の漬物で1.2グラム、5位がキュウリの漬物で1.2グラムだったそうです。」

“極論君”のコメントです。

「ではWHOの推奨基準からすると、カップ麺もインスタントラーメンも食べてはいけないことになりますね」

“非常識君”のコメントです。

「いくつかの新聞は、食べてはいけないということを堂々と紙面にしています。日本の新聞は基本的に非難することを嫌います。健康に悪いことはたくさんありそうですが、すべてタバコに悪役を押しつけているように思えます。カップ麺メーカーが困るような記事をよく載せたものだと感心しています。報じてないメディアは、知っていてわざと流さないのか、それとも知らないのか、むしろそんな視点からメディアの対応が僕は気になるのです」

 常識君が質問します。

「つまり非常識君は、メディアが企業に都合の悪い情報はわざわざ出さないようにしていると言いたいのですか?」

 非常識君の回答です。

「そんな証拠はまったくありません。でも、そんなこともあるのではと思っているのです。都合の良い情報はどんどんと発信されて、都合が悪い情報は発信されないのです。それは臨床研究でも当てはまります。それを出版バイアスと表現しています。ある薬が効いたという臨床研究は瞬く間に世界に広がります。そんな薬を開発した企業もニュースを流してもらいたいし、また、何より効く薬が登場したという情報は人々も喜ぶからです。

 一方で同じような臨床研究をしても、それがうまくいかなかったという情報はあまり日の目をみません。企業としても封印したいでしょうし、見る側もあまり興味がないからです。日本で売られている抗インフルエンザ薬がアメリカでの臨床研究から撤退したといったニュースは、医師でも知らない人もいます」

新見正則/医学博士・医師

新見正則/医学博士・医師

1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年~ 慶應義塾大学医学部外科
1993~1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年~ 帝京大学医学部外科に勤務

 幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。

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