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それでは、日本人女性はなぜ結婚しないのだろうか。赤川氏は「日本の女性は、自分よりも経済的・社会的に地位が上の男性との結婚を求める傾向が強いからだと考えられます」と分析する。
このような傾向は「上昇婚(ハイパガミー)」と呼ばれる。景気低迷で男性の収入が下がる一方、政府の対策もあって女性が働きやすくなり、経済的・社会的にも男性に近づいた。その結果、結婚したくなるような「自分よりもレベルの高い男性」が少なくなり、未婚率が上がってしまうのだ。
さらに、日本社会では依然として「未婚の母」や「事実婚での出産」が疎んじられる傾向があり、「結婚してから子どもを生む」という意識が強い。このため、日本では婚姻率と出生率が比例するという構図が崩れにくいのである。
そもそも、少子化の何が問題なのか?
赤川氏は、日本政府が約四半世紀にわたって行ってきた少子化問題対策は、ほぼ効果がなかったと指摘する。そもそも、少子化対策に明快な答えはあるのだろうか。
「私の考えでは、『女性の社会進出』や『一億総活躍』などの政策で日本の少子化問題を解決することは非常に難しいと思います。しかし、少子化の何が問題なのでしょうか。
少子化問題には、人口が減ると経済成長ができず、年金制度も維持できないという前提の意見が多いようですが、人口が減っても経済成長する国はいくらでもあります。無駄な少子化対策などやめて、子どもが減っても揺るがないような社会体制を築いていくほうが、よっぽど建設的だと思いますね」(同)
無理に少子化を解決しようとするのではなく、多様な生き方を選択できるような社会を築き、文化的・経済的な成長を目指していくことが重要なのかもしれない。
(文=福田晃広/清談社)
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