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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

炎上上等…批判を浴びてもSNS上で「自分アピール」を続ける人たち

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio
炎上上等…批判を浴びてもSNS上で「自分アピール」を続ける人たちの画像1「Thinkstock」より

 SNSの普及により“一人一メディア”の様相を呈している昨今、Twitterなどで自分の日常や時事的なニュース・社会問題などに対する持論や感想を投稿し、耳目を集めようとする人もいる。だが、これらの人のなかには、投稿した内容が世間から反感を買い“炎上”してしまうケースも少なくない。著名人もその例外ではなく、意図的に批判を浴びる所謂“炎上商法”をウリにするタレントや国会議員まで現れる始末だ。

 一般人はともかく、有名人であれば炎上することによって、自らの活動に支障をきたす可能性も高い。それにもかかわらず、なぜ彼らは炎上商法を行うのだろうか。立教大学経営学部教授の有馬賢治氏に、マーケティング的視点からの見解を聞いた。

「いいね」の反対は「炎上」なのか

「まず、第一に考えたいのは『いいね』の反対は『炎上』なのかということです。一般的に、『いいね』が欲しいという心理には、世間や周囲から認められたいという気持ちが働いています。では『いいね』がもらえない場合に、そういう人たちが一番恐れているのは何でしょうか。それは、世間からの無視、ネット用語でいうところの“スルー”されることなのです」(有馬氏)

「愛の反対は憎しみではなく無関心」という言葉があるが、ネットの世界でもそれは例外ではないようだ。

「当然、好感を持たれるほうが反感を買うよりも好ましいと誰もが思うでしょう。ですが、相手にされないくらいなら、たとえ炎上やバッシングを受けるリスクを負ってでも、自分をアピールしたいと考える人々もいるわけです。役者の世界の場合、エキストラよりも悪役のほうが観る人の記憶に残りますよね。それと重ねあわせているのではないでしょうか」(同)

炎上商法の効果は期間限定

 であれば、知名度や話題性が武器になるタレントの場合は、炎上商法はある程度効果的なようにも思える。

「確かに、タレントなら炎上という話題性は、世間から面白がられて需要が飛躍的に上がり、一時期は仕事を増やせるかもしれません。ですが、そのような売り方は必ず世間から飽きられてしまうものです。これは、企業の商品に置き換えて考えてみると分かりやすいかもしれません。例えば、ロングセラー商品の変わり種フレーバーで話題を集めた『ガリガリ君コーンポタージュ味』や『ペプシコーラあずき味』は、そのほとんどが期間限定での販売でしたよね。変わり種商品は怖いもの見たさで手に取る消費者は多いのですが、リピーターの獲得にはなかなか至りません。つまり、世間からの好奇の目を利用してテレビなどに出演するタレントも、短期間で集中的に売る“期間限定商品”のようなものなのです」(同)

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