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住宅ジャーナリスト・山下和之の目

不動産業界タブー「おとり広告」が大量摘発……家購入、契約前に絶対すべきことリスト

文=山下和之/住宅ジャーナリスト
不動産業界タブー「おとり広告」が大量摘発……家購入、契約前に絶対すべきことリストの画像1「Thinkstock」より

 首都圏不動産公正取引協議会では、1月から6月までに、おとり広告を行った事業者に対する1カ月以上の停止措置処分が28社に達したと発表しました。その中身をみると、いまだにこんなひどい手口があるのかという、あきれ返るような内容です。特に、免許更新回数の少ない、設立間もない会社の違反が多いのが特徴です。その傾向と対策を考えてみました。まず、その悪質な手口をみてみましょう。

・悪質手口(1):3年以上同じ広告を掲載、602件の問い合わせ

 埼玉県ふじみ野市の不動産会社は、取引する意思のない「おとり広告」を掲載していました。たとえば、周辺相場3500万円から4500万円前後の物件について、著しく安い2780万円という広告を3年以上掲載し続けていました。その間に602件もの問い合わせがあったにもかかわらず、成約には至っていません。

 その物件の売主は不動産会社の代表者の親族であり、売る意思のない「おとり広告」としてお客を集め、他の物件に誘導していたのは間違いありません。

・悪質手口(2):契約済み情報を1年以上掲載し客集め

 東京都品川区の不動産会社。新規に情報公開後に契約済みとなり、取引できない物件であるにもかかわらず、長いもので1年3カ月以上広告を掲載し続け、お客を集めていました。

・悪質手口(3):住宅を建てられない「市街化調整区域」を販売
 
 埼玉県川越市の不動産会社は、建物を建築できない「市街化調整地域」の土地販売に当たって、「市街化調整地域であり、宅地の造成及び建物の建築はできません」という文言を記載せずに、広告していました。

 あわせて、取引態様を記載せず、媒介(仲介)であるのに売主があるかのごとく表示していました。さらに、「敷地300坪」などとメートル法での記載がありませんでした。まったくひどいものです。

ネット情報7社への1カ月以上の掲載停止措置

 
 こうした悪質な手口の事業者について、首都圏不動産公正取引協議会では、1カ月以上の広告掲載停止措置処分を実施しました。

 この停止措置というのは、賃貸住宅のポータルサイトへのネット広告の掲載を停止する処分です。従来は「アットホーム」「CHINTAI」「マイナビ賃貸」「ライフルホームズ」「スーモ」の5社が対象でしたが、今年4月から「ヤフー不動産」、5月から「いい部屋ネット」も加わりました。

 網羅性が高まり、掲載停止措置の実効性がいっそう強まっています。この処分を受ければ、ネット時代においては広告によって集客を図ることができなくなるといっていいでしょう。

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