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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

朝食にパンと砂糖入りコーヒーは体に毒?

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事
朝食にパンと砂糖入りコーヒーは体に毒?の画像1「Thinkstock」より

 ファストフードの企業が、新たな朝食のスタイルを宣伝しているテレビCMを見ました。新たな朝食のスタイルといっても、これまでも販売してきた砂糖まみれ、油まみれのドーナツに、コーヒーなどのドリンクを組み合わせて「朝食」と喧伝しているだけです。

 私見としては、CMを見ただけで著しく食欲が失われましたが、果たしてあれを見て「行ってみよう」と思う視聴者がどれほどいるのでしょうか。宣伝効果のほどは疑わしいですが、それはさておき、朝食に白い小麦粉や砂糖などの「単純炭水化物」を大量に摂取するのは、やめたほうが賢明です。それに加えて、コーヒーなどに砂糖を入れて飲むのは、体の危機に拍車をかけることにほかなりませんので、これもやめるべきです。

 筆者は30年以上にわたって朝食は果物しか摂らないのですが、それには真っ当な理由があります。理想はオーガニックの完熟の果物ですが、現状はそうとばかりもいかず、やむを得ず普通にスーパーで販売されている果物を食すこともあります。それでも、産地は厳密に選んでいて、住んでいる岐阜県産のものを中心に、それ以西で採れたものを購入しています。完全にオーガニックではないにしても、知り合いの農家がつくった果物を購入することが多く、農薬の散布回数やその使用量は限定されていることもわかっているので、その意味では安心して食べられるからです。

朝食にパンと砂糖入りコーヒーは体に毒?の画像2

 朝食に果物が適しているのは、その消化に負担がかからないからです。果物は、人間の消化液で容易に消化分解されます。30分から、せいぜい40分もすれば、果物は胃を通過し、腸に達します。それだけ消化が容易だということなのですが、ここに重要な意味があります。

 私たちの体は、夜、寝ている時にも活動しています。それは主に代謝という活動なのですが、その代謝がスムーズに行われるために、睡眠が必要なのです。そして代謝が行われると必然的に老廃物ができます。その老廃物は、可能な限り速やかに体外に排泄しなければなりません。要するに、朝は排泄のための時間であり、その排泄がスムーズに行われないと、一日の体の活動が滞ってしまうということになります。

 ところが、炭水化物やたんぱく質、脂質など、消化分解に負担がかかるものを朝、食べてしまうとどうなるかというと、体はダメージを負ってしまうのです。一日のスタートがダメージからというのは、とても理想的とはいえないどころか、あってはならないことだと筆者は考えます。

 体のリズムという観点から考えると、きちんとした食事を摂っていたら、朝、起きぬけに強い食欲を感じるということはないはずです。しかし、摂るべき栄養素が摂れていない場合は、その限りではありません。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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