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サプリや健康食品、無意味で健康被害の可能性

構成=長井雄一朗/ライター
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サプリや健康食品、無意味で健康被害の可能性の画像1「Thinkstock」より

 今や約2兆円規模といわれる「健康食品」市場。一般紙などでも高齢者をターゲットにした健康食品関連広告があふれており、体験談を読むと「これを飲んだおかげで健康になりました」などと書かれている。

 しかし、健康食品の効果について「過大な期待はしないほうがいいでしょう。幻想を抱くのはやめるべきです」と警鐘を鳴らすのが、国立健康・栄養研究所食品保健機能研究部長の梅垣敬三氏だ。

 梅垣氏は、「健康食品については、巧妙に法律の目をかいくぐる悪徳業者もいます。高齢者を騙すようなビジネスを行っていて、心が痛まないのでしょうか」と憤慨する。健康食品の何が問題で、実態はどのようなものなのか。梅垣氏に聞いた。

健康食品に効果を期待するのは間違い?

――健康食品については実にさまざまな言説がありますが、その内容はまちまちです。そもそも、健康食品に定義はあるのでしょうか。

梅垣敬三氏(以下、梅垣)「健康食品」という食品の明確な定義はありません。「健康に良い」という食品全般が健康食品です。そのため、仮に素人であっても扱うことができ、デタラメもはびこっているのが実情です。

 たとえば、きのこ、納豆、錠剤カプセルなどについて、消費者をひきつけるために効果をアピールする文章が広告などで見られます。部分的に正しいところもありますが、極論に走っているような内容も見受けられます。

 売るためには、効果をアピールしなければならない。そのため、国が認めている「特定保健用食品(トクホ)」でも、「体に良い」という一部の研究結果を強調して結論づけるような内容が多い。それが、今の健康食品の問題点です。

――今も健康食品ブームは続いていますが、医薬品のような効果が見込めるのでしょうか。

梅垣 健康食品の分類としては、機能性を表示できる食品(「保健機能食品」と呼ばれ、「特定保健用食品」「機能性表示食品」「栄養機能食品」の総称)と、表示できない食品があります。

 国の審査に合格すれば機能を表示できるのが特定保健用食品(トクホ)、科学的根拠に基づいて届け出れば事業者の責任で機能性を表示できるのが「機能性表示食品」、届け出なくてもビタミンやミネラルなどの栄養成分が規格基準に適合すれば栄養成分機能を表示できるのが「栄養機能食品」です。保健機能食品以外の食品には機能性の表示ができません。これが、国の機能性の表示ルールです。

 これらの健康食品によって劇的な効果が見込めるかといえば、そんなことはありません。もし大きな効果があったとすれば、逆に危険が伴います。医薬品と同様に副作用があるからです。

 最近流行しているサプリメントは、最も問題です。サプリメントは栄養補給などに一定の効果はあるものの、不足の判断もせずに利用すると無駄に利用したり過剰摂取したりすることになります。通常の食べ物にもいえますが、同じものを摂取することは過剰摂取、つまり偏食につながります。ビタミンが足りているのか不足しているのかというのは、その人にしかわかりません。

 そのような不確かな状況にならないようにするため、サプリメントを摂取する際には、その摂取履歴を記録する習慣や個々の食品に印字されている栄養成分表示を参照することが大切です。

 知っておきたい重要なことは、そもそも健康食品に医薬品のような効果は見込めないということです。健康食品は、あくまで「食品」なのです。病気の治療などを目的に利用するものではありません。

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