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【報道ピックアップ】「会話についていけなくなる前に」(12月17日)

テレ東&池上彰の選挙特番、容赦ない暴走で断トツに面白い!

文=アラキコウジ
テレ東&池上彰の選挙特番、容赦ない暴走で断トツに面白い! の画像1「TXN衆院選SP『池上彰の総選挙ライブ』HP」
(テレビ東京)より

 日々忙しいビジネスマン&ウーマンに代わり、世に溢れるメディアの中から、知れば“絶対に”人に話したくなる報道や記事を紹介。日常でなんとなく耳にするあのニュース・情報の裏側や、テレビなどでは報じられないタブーに迫ります!

【今回ピックアップする報道】
『TXN衆院選SP「池上彰の総選挙ライブ」』(テレビ東京/12月16日放送)

 衆院総選挙が終わりましたね。選挙前はいろいろと言われていましたが、フタを開けてみたら、「自民圧勝」「民主大敗」「維新微妙」「未来論外」という感じでしょうか。

 結果として、民主党や維新の会はサプライズを起こすことができず、自民党が圧勝してしまいました。選挙前の新聞各紙の世論調査では、自民党圧勝(300議席の可能性もある)と予想されていました。「世論調査の方法に偏りがあって、正確ではない」と批判する人もいましたが、かなりの精度で、老舗メディアの面目躍如といったところでしょうか。

 さて、そんな選挙結果を受けての今後の政治情勢分析については、専門家のみなさんにお任せするとして、今回は、テレビ各社の「選挙速報番組」について書きたいと思います。

 各社のラインナップを見ると、NHKは、『衆院選2012開票速報』と題して、いつもどおりの淡々と速報を伝える硬派な番組演出。

 日本テレビ系は運悪く(?)、「FIFAクラブワールドカップ・決勝」と日程がかぶってしまったため、サッカーの試合時間中は、データ放送を使って当確情報を画面の隅に流すだけでお茶を濁し、試合終了後に『NNN総選挙特番 ZERO×選挙2012』を放送。アイドルグループ・嵐の櫻井翔くんが東京ドームのコンサート会場から駆けつけるなどの演出も入れて、巻き返しを図る作戦。

 テレビ朝日系『選挙ステーション』は、前半を『報道ステーション』の古舘伊知郎が担当し、後半は田原総一朗と各党論客が3時間の(『朝生』的な)討論番組という2部構成。

 TBS系は、『乱!総選挙2012』と題し、堀尾正明・膳場貴子キャスターをメインに、スペシャルキャストとしてくりぃむしちゅー上田晋也が参加していました。

 フジテレビ系『FNN総選挙2012・ニッポンの決意』は、安藤優子と三宅正治のメインキャスターに宮根誠司がナビゲーターとして加わる、ちょっとガチャガチャした感じ。

 ザッピングしながら見ていましたが、正直どれもこれも似たり寄ったりで、たいして面白くもなく、特に大きな盛り上がりもなし。むしろ、チェルシー(ヨーロッパ王者)がコリンチャンス(南米王者)に負けてしまったサッカー・FIFAクラブワールドカップ決勝戦が、各局の番組の中で最も盛り上がったかも……。

突出していたテレ東

 さて、みなさん、まだご紹介していない局が1つあることに気づいていますか?

 そうです、テレビ東京系(テレ東)についてまだご紹介していません。

 ご覧になられた方はおわかりかと思いますが、最高に面白かったのです。

 今回のテレビ各局対抗・選挙速報番組対決では、(個人的には)テレ東の圧勝だと思いました。テレ東ではお馴染みの池上彰がわかりやすく解説する形式で、進行役は、『モヤモヤさまぁ〜ず2』や『出没!アド街ック天国』でお馴染みの大江麻理子アナ。番組としては、テレ東お得意のまったりとしたゆる〜い感じの番組なのですが、よく見ていると、テレ東&池上彰の“腹黒番組”でした。

 まずは、候補者のプロフィールに注目。普通の選挙速報番組ではありえない内容が書かれてました。

 例えば、石原慎太郎・維新の会代表のプロフィールには、「“暴走老人”、公式HP名『宣戦布告』」、同党の東国原英夫には、「たけし軍団→知事→国会、おそるべし上昇志向」って、これ、完全に悪意あるでしょ(笑)。

 ほかにも、石破茂氏のプロフィールには「カレー作りに異様な情熱」など、そのほかの候補者でも、

「母が振り込め詐欺の被害に」
「大学の先輩は長州力」
「繊維問屋の息子」
「父は偉大なるイエスマン」
「身長186cm」
「ブログに昼食メニュー掲載」
「元NTTドコモ採用担当」
「出馬による転居で息子が涙」
「村上水軍の子孫」
「カエルの置物が大好き」

など、正直どうでもいい情報すぎて、ほかに何が書かれているのかが気になって、開票速報への注意がおざなりになってしまいましたよ。

容赦ない池上彰の突っ込み

 プロフィールには、どういう経緯で政治家になったのかというのも書かれていまして、池上彰は自民党・小渕優子に対して、「お父さんが議員じゃなかったら、あなたは政治家にはならなかったのでしょうか?」と、世襲議員にストレート過ぎる質問をしていました(小渕苦笑い)。

 各党幹部に対する池上彰のインタビューもすごかったです。

 石破茂・自民党幹事長に対しては、「自民党が勝ったんじゃなくて、民主党が負けたと言われていますが、石破さんどうですか?」と、オブラートにくるむ気ゼロの質問。

 石原慎太郎・日本維新の会代表に対して、「パプアニューギニアと北朝鮮を一緒にするから、石原慎太郎は暴走老人って言われるんですよ!」と、若干キレ気味。これを聞いた石原慎太郎も逆ギレな感じで中継が険悪なムードに。中継終了後に、石原代表は明らかに「バカ」と言っていました(音声がオフだったので、口の動きでそう見えたという話です)。

 池上彰は止まりません。

 無所属の鳩山邦夫(元自民党)に対して「選挙区、昔東京でしたよね? 福岡に移ったのは、(鳩山家が大株主である)ブリヂストンの工場があるからですよね? 自民党に戻るんですか?」

 前回の選挙で落選し、今回復活当選した公明党・太田昭宏へは、「今回は、自民も民主も対立候補を立てなかったから当選できたのだと思いませんか?」って、もう、狂犬のように牙剥きまくり、誰にでも噛みつきます(笑)。

 その、太田氏への中継終了後に出したフリップには、「宗教法人の信者数」というタイトルで、「創価学会:827万世帯、神社本庁:6242万人、幸福の科学:1100万人、立正佼成会:350万人」という内容。どこまで突っ込むんだ、テレ東&池上彰?

 ちなみに公明党関連では、一般視聴者からの質問で「公明党から出馬する候補者はみんな創価学会員なのですか?」(千葉県16歳高校生)と、なかなか扱いにくい質問も、サラッとやってしまいます。これに対する池上彰の回答は、「会員が多いですが、それ以外の人もいます。意外と知られていないことですね」と、サラッと軽く答えてしまいます。

 もちろん、次期総理候補である安倍晋三・自民党総裁に対しても容赦ありません。

「4年前の辞任理由は体調不良だと言っていましたが、当時の会見では、体調不良に一言も触れていませんでしたよね?」
「戦争もする、交戦規定もある、ということは国防軍の兵士に死者が出ることもある。そういうことを命令する立場になるということですね?」

と、切れ味鋭いカミソリのような質問を次々と繰り出します。

 このほかにも見所がたくさんあったのですが、ありすぎて紹介できません。テレ東さん、ぜひDVD化してください!
(文=アラキコウジ/ネタックス)

アラキコウジ

アラキコウジ

人力情報キュレーションサービス『ネタックス』を主宰。さまざまなメディア情報の中から、本当に使える情報をピックアップする、忙しい現代人のための時間短縮ツール。情報を単にクリッピングするだけではなく、大量のメディアを横断的に見ることで持ち得た独自の視点によって、よりわかりやすく面白く解説された“ネタ”として配信されるのが特徴。ビジネスマンのマストツールになるべく、日々鋭意運用中ですが、使える情報源の宿命でもある「人に教えたくない」スパイラルにはまっており、解約者がほとんど出ない割に、利用者がなかなか増えないことが目下の悩みのタネ。夢は、ネタックスの利用料だけで生きていくこと。

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