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株価低迷のトヨタは豊田章男社長で立ち直れるのか?

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 そして今期は国内で生産するクルマの59%に当たる200万台を輸出する計画。1円の円高による営業利益の押し下げ額は、前期の320億円から350億円程度に拡大する見通しだ。国内需要は夏場にエコカー補助金が切れ、反動減が予想されている。「下期は好調な米国市場向けの輸出で(国内の落ち込みをカバーする。)(小沢哲副社長から)、それだけ為替リスクが増大するわけだ。対ユーロでは、円が1円高くなると50億円も営業利益が減る。国内生産に固執し続ける章男社長が考える経済合理性とは何なのか。投資家の、この素朴な疑問にまず答えなければ、株価の本格上昇はないだろう。

 国内生産にこだわる章男社長の姿勢を、アナリストは数年前から「ホンダや日産に比べて周回遅れ」と指摘してきた。競合メーカーに比べて国内生産比率が高いことが収益の足かせになってきた。

 米ウォールストリート・ジャーナル(11年12月29日付の電子版)は、12年に注目する「世界の経営者12人」を発表した。章男社長については「(トヨタの)運命を左右する年になる」と予測。記録的な円高が日本の自動車産業の輸出採算を悪化させ、他メーカーが生産の海外シフトを急ぐ中、「(日本での)年間300万台の維持を約束している」と紹介。その上でトヨタの株価低迷に触れて、「日本にとって良いことはトヨタにとって良いことか。その逆もまた同じだろうか」と論評した。ウォールストリートの、この記事は豊田章男という経営者の姿勢に疑問を呈しているのだ。

 言うまでもないが、トヨタが強気の反転を実現できるかどうかのカギを握っているのは新興国市場だ。ブラジルやインド、ロシアなどで、ライバルのドイツのVW(フォルクスワーゲン)や韓国の現代自動車に展開力で負け、「急成長が見込まれている市場での存在感は薄い」(有力な自動車担当アナリスト)。世界販売に占める先進国と新興国の比率を「現在の6対4から5対5にしたい」(章男社長)と意気込むが、新興国市場に合った商品作りと展開のスピードアップが急務だ。新興国への取り組みは、やっと緒に就いたばかりである。

 章男氏の会見を見ていると、日本のリーディングカンパニーの経営トップとして、切迫感がまったく感じられない。かつて「3つの資本主義がある」と言ったことがある。彼が信奉するのは「公益資本主義」。「国内の雇用やものづくりに貢献できなければ意味はない」というものだ。残る2つはM&A(合併・買収)で攻勢をかける「巨大資本主義」と国の強力な後押しを受けて海外展開を進める「国家資本主義」と規定している。前者はVWや日産自動車のことを言っているのだろう。後者はアメリカ・ゼネラル・モーターズ(GM)や韓国・現代自動車の行動原理を指すようだ。

 しかし、ここに根本的な疑問がある。トヨタは公益資本主義で大きくなった会社なのか。国家資本主義のリーダーとして対米輸出を切り開き、巨大資本主義のアクセルを強く踏み込んで世界一の自動車メーカーに変身したのではないのか。

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