「さよなら傷だらけの日々よ」(VERMILLION RECORDS/B’z)
オリコンが発表するCDシングル・デイリーランキングで、ちょっとした「事件」が起きた。2012年4月23日、3位にランクインされたB’zの「GO FOR IT,BABY -キオクの山脈-」が、なんと一日で693枚しか売れていないというのだ。CDが売れなくなって久しいというけれど、さすがに枚数の少なさは多くの人にとって衝撃的だった。しかも、2位の「to the beginning」(Kalafina)でも927枚だった(ちなみに、1位の「祈り ~涙の軌道」<Mr.Children>はさすがに5891枚売れていた)。
日本の人口を1億2800万人とすると、693人は0.00054%にすぎない。それほど低い比率であれば、なんのためのヒットチャートだろうかと思う人がいてもおかしくない。実際に、ネットを中心に同じような疑問が呈された。
CDや音楽ビデオ(DVD)などの年間音楽ソフト総生産金額(音楽配信は除く)は、バブル末期の1990年には3877億円だった。同年は「おどるポンポコリン」(B.B.クィーンズ)、「浪漫飛行」(米米CLUB)が大ヒットした。そこから右肩上がりに同金額は伸び続け、98年には6074億円に至った。「誘惑」(GLAY)、「夜空ノムコウ」(SMAP)、「my graduation」(SPEED)が売れた年だ。バブル崩壊は92年といわれているものの、CD売上は伸びていたのだ。
98年をピークとし、05年には4222億円となり、11年には2819億円にまで落ち込んだ。もちろん、「音楽配信の広がりによりCD売上が下がった」という見方もできるだろうが、その有料音楽配信の売上金額は、07年755億円→09年910億円と上昇を続けたものの、11年には720億円と必ずしも順調ではない。