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業界構造が再編する家電小売業界

ビックカメラ、コジマ電気買収の背景にある「YKK戦争」

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 加藤氏が若き日にYKK戦争を戦った当時のカトーデンキは、NEBAの加盟店だった。父親が創業した街の電器店を引き継ぎ、巨大家電チェーンを一代で築いた彼は、中興の祖と呼ばれている。YKK戦争で沈んだのがコジマ。健闘したのがケーズ。首位へ駆け上がっていったのがヤマダである。

 ヤマダ電機は売上高3兆円を目標にしてきた快進撃に急ブレーキがかかった。前期(12年3月期)の連結売上高は同14.8%減の1兆8354億円で、2期続いた2兆円の大台を割り込んだ。営業利益は前年同期比27.5%減の889億円。今期(13年3月期)の売上高は横ばいの1兆8270億円だが、営業利益は同4.0%増の925億円を見込んでいる。

 創業者の山田昇会長が次の収益の柱として力を入れているのが、次世代省エネ住宅「スマートハウス」。これで家電の売り上げの伸び悩みを補い、業界トップの座を死守する構えだ。同事業は15年3月期には3140億円の売り上げを目指している。だから、時間を金で買って新規事業を戦力化するためのM&Aの標的は異業種。11年8月に、中堅の戸建て住宅メーカーのエス・バイ・エル(S×L)を84億円で買収。12年5月には、住宅設備機器大手のハウステックホールディングス(非上場、東京・板橋)を100億円で買収すると発表した。「スマートハウス」事業で住宅と家電製品、システムキッチンやバスルームといった住宅機器を一括して提供する体制を整える。

 全国展開している量販店で創業者が健在なのは、ヨドバシの藤沢氏、ヤマダの山田氏、ビックの新井氏の3人 。創業者の中で一番若い新井氏率いるビックが、コジマを買収した。

 新井氏は首位奪取に意欲満々なのだが、ビック、ベスト、コジマの組み合わせでは弱者連合の懸念が消えない。もう1枚、強力なコマが必要であろう。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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