ビジネスジャーナル > 特集2ニュース > 目次ニュース > ソフトバンクと孫正義の正体ニュース > SBのエネルギービズはパフォーマンス!?  > 2ページ目
NEW
【3】補助金頼みの太陽光ビジネスとSBエナジー

社運をかけるエネルギービジネスは結局パフォーマンス先行!?

【この記事のキーワード】

メガソーラーだけではまだお金にならない!?

 数ある次世代エネルギーの中でも、孫社長が最も力を入れているのが「メガソーラー発電所」の建設。広大な土地を利用してMW級の発電を行う大規模 発電設備だ。ちなみに東京電力でも11年、神奈川県川崎市に出力13MWの「扇島太陽光発電所」を設置している。メガソーラーの本格普及に向けて、各社が 第一歩を踏み出した。

 70年代に起こったオイルショックをきっかけに研究が盛んになった太陽光発電は、普及が進むにつれ、徐々に設置費用も低下傾向にある。太陽光パネ ルの価格はこの15年で半値以下に急落。かつては出力1kWあたり100万円程度の設置コストがかかっていたものの、現在では35万円程度で設置できるま でになっている。このような背景もあり、ソフトバンクのような異業種からの新規参入が可能となったのだ。

 しかし、原子力や火力、水力などの発電方法と比べると、まだまだ見劣りする感は否めない。資源エネルギー庁が公表した「エネルギー白書2010」 によれば、太陽光による1kWh(キロワットアワー:1時間あたりの消費電力量)あたりの発電コストはおよそ49円。水力発電が8〜13円、LNG火力発 電が7~8円、原子力発電が5~6円という価格を考えると、まだ圧倒的に割高な状況だ。

 これに対して「太陽光発電普及のために欠かせないのが、政府からの補助金です」と語るのは、政府系プロジェクトなどを手がけるコンサルタントのクロサカタツヤ氏だ。

「世界中どの国を見回しても太陽光発電は、現状、市場原理で動いていません。補助金なしで太陽光発電ビジネスは成り立たないのです」(同)

 そんな太陽光発電ビジネスにおいて、最も注目が集まっているのが、今夏より実施される「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」だ。

 これは、太陽光で発電したすべての電力について、一定の価格で東京電力などの電気事業者に買い取りを義務付ける制度。現在、経済産業省の 「調達価格等算定委員会」では、1kWあたり30~40円とした買取価格の最終調整が行われている。

「11年8月に、菅直人政権の置き土産として成立した『再生可能エネルギー特措法』により、今年7月1日よりスタートする同制度。現在、その買取価 格をめぐって、「調達価格等算定委員会」にて検討が始まっているところです。孫社長は、買取価格と期間について、仮に20年間、40円/kWh(今年度並 み)で試算した場合、ソフトバンクの大規模太陽光発電所建設候補地250カ所のうち、200カ所以上が採算割れになると説明。『価格が低すぎると事業者の 参入意欲が冷え、高すぎると買取費用が電気代に上乗せされる消費者に負担がかかる』と慎重な制度設計を求めています」(前出の環境系ライター)

BusinessJournal編集部

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

Instagram: @businessjournal3

ニュースサイト「Business Journal」

社運をかけるエネルギービジネスは結局パフォーマンス先行!?のページです。ビジネスジャーナルは、特集2、の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!