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飲んべえ岡ちゃんの相場師養成講座 第3回

「業績が伸びる企業=株価は上がる」に潜むワナ

 4月27日時点の東証1部銘柄平均のPBRは1.01倍です。1倍とは、ほぼ解散価値に近く、依然として「東証は割安水準」といえます。

相場の物色の流れをつかめ!

 さて、さて、本題に戻りましょう。冒頭で「業績が伸びる企業の株価は上がる、というのは正しい」と書きましたが、ここに大きな “罠”があります。株価は上がるけど、

「いつから上がるかわからない」
「株価が半値になってから上がるのかもしれない」

など、「上がり始めるタイミングがわからない」という点です。

 実は、ここで僕は何度も失敗を繰り返してきました。証券専門紙の記者時代、僕の発掘した銘柄は「当たるとでかい」けど「当たらないとスカ(三振)」といわれました。サラリーマン時代なら、笑い話とまではいいませんが、同僚のフォローでなんとかリカバリーできました。しかし、独立してからは、「スカ」ばかりでは仕事は成立しません。

 なぜ、当たるときはでかいけど、スカも多いのか? 
 打率を上げるためにはどうしたらいいのか?

と、数々の自分のスカ=失敗を分析したところ、「流れ」=「相場の物色の流れ」を軽視していることに気づきました。

 1999~2000年に繰り広げられたIT相場を例に挙げれば、わかりやすいと思います。このときは、ネットの普及で「21世紀の産業革命が起きる」との期待から、IT関連銘柄が一斉に大きく買われました。業績が伸びている企業であっても、IT関連でなければ買われなかった一方、IT関連ということだけで、赤字会社の株券が、数千万円という株価がつくまで買われました。ちなみに今、その会社は破たんしてなくなり、株券はただの紙くずになってしまいました。

 これが、相場の物色の流れです。当時はIT関連銘柄が相場物色の流れだったわけです。いくら「業績が伸びる企業」でも、その時々の相場の流れに乗っていなければ、買われるのは後回しにされてしまいます。 

 それまで僕は「業績が伸びる企業の株価は上がる」ということばかりに目を奪われていて、流れ、タイミングをそれほど重視していなかった。これがスカの多い要因だったわけです。前回、「成功体験に引きずられるな」「得意分野に執着するな」と書きましたが、どうしても人間は過去に成功した分野から銘柄を選んでしまいかねません。それが相場の流れに合っていれば当たりますが、合っていなければスカとなる可能性が高いわけです。 

「これまで自分の成功した分野、得意分野で勝負するのではなく、あくまでもその時々の相場の流れに合わせて、銘柄を選ばなくてはならない。そうして、さまざまな相場の流れに合わせていけば、結果的に自分の成功分野、得意分野が増えていくのだから、今後は素直に相場の流れに合わせ、それぞれの相場から学ばせてもらおう」と考えるようになりました。

 もちろん、「業績が伸びる銘柄」が基本です。これを「銘柄本位制」と名づけました。しかし、「銘柄本位制」だけでは十分でなく、相場の流れに乗るかどうか=「流れ本位制」も加えなくてはいけない。しかし、それだけでも十分ではない。奨めるタイミングも重要だ。そう、「タイミング(チャート)本位制」と合わせて3つの本位制=三位一体作戦を基本に据えるようになったのです。「タイミング本位制」については次回解説しましょう。

毎日のコマメなチェックで流れを読める!

 では、IT関連ばかりが買われた、IT相場のような極端な流れならわかりやすいのですが、相場の流れをどこから判断するか? 

 それは連続して毎日の相場を見ていくしかありませんが、それほど難しくありません。毎日の新聞の証券欄をチェックしたり、流れを書くことが多い僕のブログ「今日の岡本」を見ていただいてもよいですし、1日5~10分程度でもいいですから、とにかく継続することです。

 僕自身は、「毎日の値上がり率上位銘柄」「出来高・売買代金上位銘柄」「高値更新銘柄」をチェックして、買われている銘柄の共通項=キーワードを探すことを基本にしています。例えば、11年3月の震災後に買われた銘柄は「震災復興関連」でした。夏には「節電関連」が買われました。「復興」「節電」が流れの共通項=キーワードだったわけです。ですから、僕はそれらのキーワードに絡む業績が伸びる、回復する銘柄を各メディアで取り上げました。12年は引き続き「復興」「節電」はキーワードとなると思いますし、「自動車など輸出産業の回復」も新たにキーワードとして加わってきています。TPP、消費税率上げが具体化すれば、「農業再生などTPP対策関連」「消費税率上げ関連」も流れに入ってくるかもしれません。

BusinessJournal編集部

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