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飲んべえ岡ちゃんの相場師養成講座 第2回

株では成功体験を捨て、親切な先生=市場に素直に従え!

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 店頭市場とは、1963年に日本証券業協会が創設した店頭登録制度がスタートし、83年、ベンチャー企業向けの市場として整備されました。普通、株式の売買は証券取引所の立会場で売買が行われていますが、店頭市場は取引所でなく、証券会社間、あるいは証券会社と顧客との相対で取引が行われていたため、店頭市場と呼ばれていました。98年に証券取引法改正で取引所の有価証券市場と並列する市場として認められ、2004年に「ジャスダック証券取引所」へと変更。東京証券取引所などで売買されている通常の株式と同じ「取引所有価証券市場」へと業態転換しました。

 結局、店頭市場が脚光を浴びるようになるまで数年かかりましたが、94年にようやく店頭市場が花開きました。史上初めて新興市場に光が当たったときです。そのとき、店頭市場の活況相場を引っ張ったのが、市場新聞社の店頭市場を担当する部署で、そのキャップが僕でした。この店頭市場部が新聞に掲載した銘柄が、毎日のようにストップ高まで買われるなどヒットを連発、マーケットの目を集めました。「次に市場新聞が狙う銘柄は何か?」とマーケット中で騒がれたものです。取材に行くとき、訪問先の企業を白板に書いて出掛けますが、その訪問先が社内から外に漏れていたのでしょう、「次の推奨企業はこれではないか?」と記事を書く前に株価が上がってしまうことが多くなり、参ってしまいました。

 ある企業の社長取材をしているとき、その社長に証券会社から電話が掛かってきて、「うちの株がストップ高になっているらしいんですよ。証券会社から『何か材料が出たのか』と聞かれたけど、わかりますか?」なんて聞かれたりしましたが、「僕が御社に取材に来ていることが外に漏れて、次に推奨する銘柄は御社だと見て、先回り買いしている人たちがいるんですよ」なんて、さすがに言えませんでした(笑)。そこで、僕も部下も嘘の取材先を白板に書いて出掛けるようにしました。えっ? 「誰が取材先を漏らしていたのか?」って? のち、判明しましたが、武士の情けですし、それについては墓場まで持って行きます。

 その後、99~00年にかけてIT相場がありました。IT関連銘柄は新興市場に多く、94年に続く新興市場相場第2幕が上がったことになります。それまでの経緯から、僕自身新興市場に強かったし、98年に自分のホームページを開設していましたから、IT相場には結構乗れました。
 
 00年に僕は経済ライターとして独立しました。独立したのは、新興市場が活況だったからではなく、もともと00年に独立するという目標を持っていたためです。ただ、IT相場が演じられたといいながらも、まだ当時は新興市場銘柄を書けるマーケット関係者は少なく、新興市場に強いライターとして仕事量はそれなりにあり、いいスタートを切れました。
 
過去の成功体験が邪魔をする

 その後、05年に新興市場相場第3ラウンドがありました。あのホリエモンたちが「わが世の春」を謳歌した相場です。しかし、その後、新興市場の大きな相場はなく、逆に、優良企業と思っていたのに、粉飾決算をしていたことがばれて経営破たんする企業が出たりし、投資家の新興市場に対する信頼はまだ完全に回復するには至っていません。
 
 僕自身、05年の新興市場相場以来、同市場銘柄はほとんど取り上げていません。数が増えて、知らない企業が増えたことも要因ですが、「新興市場に強い岡本」という成功経験を引きずって、新興市場を重点に置き続けていたら、その後の相場には乗れていなかったと断言できます。

 人生は自分が主役ですし、人生、明るく行ったほうがいい。明るさにつながる成功経験は大切です。でも、相場の世界での主役は相場です。いや、主役は自分ではあることは確かですが、相場は自分より上の存在=神仏みたいなもの、なんていったら、宗教めいてしまいますが、僕の場合、一生ついていく先生のような存在でしょうか。しかも、この先生わがまま。思った通りに動いてくれない。僕のすべきことは自分の都合ではなく、先生の都合に合わせる。でも先生は、わがままではあるけど、意外に親切。相場は親切に「どんな材料、テーマが買われているか」という銘柄物色の流れ、上げトレンドか、下げトレンドか、もみ合いかのトレンドを教えてくれます。相場に合わせ、相場の教えてくれる流れに乗っていくことが重要です。

BusinessJournal編集部

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