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広木隆(マネックス証券チーフ・ストラテジスト)

株価安値、AKB総選挙は「日本よガチになれ」と訴えている

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野村ホールディングス株式会社 第108回定期株主総会 招集ご通知 – 同社HP

「ノムラ・トイレット・ユーモア」と題して英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)も取り上げるほどのニュースとなった。不真面目だ、いや、一見ふざけたように見せて、その中に真面目なものの考え方があるなど賛否両論。確かに、どれも荒唐無稽でありながら、株価上昇を促す経営を求めるという体裁は維持されている。

 だが筆者の意見は否定的である。不真面目だから、というのではない。ユーモア精神は大いに結構。但し、その肝心のユーモアのセンスが悪い。それがこの株主提案を評価しない理由である。

「機内での苦情お断り」 スカイマークの方針、波紋 – 朝日新聞デジタル(6月4日)

 賛否両論の極みと言ったら、このニュースだろう。筆者もこの「サービスコンセプト」を読んだときは正直、目を疑った。筆者のところにも、日々結構な量のフィードバックが寄せられる。レポートや著書で述べていることについて読者から感想がくるのだが、それこそ賛否両論である。賛同やお褒めの言葉は素直にうれしいが、否定的なコメントや、なかには罵詈雑言の類もあって、そうしたものに目を通すのは、やはり人情として辛く悲しい気持ちになる。

 それはきっと筆者が純粋に「多くのひとの投資判断に役立てばいい」という気持ちでレポートや著書を書いていて、それが評価されなかったことへの失望である。筆者はポジティブなフィードバックを期待してアウトプットを出す。それに対してスカイマークのこの「サービスコンセプト」は真逆であり、推察するに、彼らは初めからネガティブなフィードバックこそを期待していたのではあるまいか。

 筆者が勝手に盟友と思っている楠木建・一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授のベストセラー『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)のなかに「誰に嫌われるか」という一節がある。企業のコンセプトづくりにはターゲット顧客を明確にすることが必要である。しかし、それはマーケティングの教科書に書かれている、いわば当たり前のこと。ユニークなコンセプトを構想するにはもう一歩、踏み込むことが大切と説く。

 それが「誰に嫌われるか」を明確にすることだ。ターゲット顧客から徹頭徹尾喜ばれるということは、ターゲットから外れる顧客に、はっきり嫌われるということ。人間でも同じ。八方美人は結局誰からも愛されていない。そう楠木教授は述べている。このスカイマークのコンセプトは明確だ。「目的地まで運ばれること」以外を要求するお客は要らない、と宣言している。

 ただ、惜しむらくは、もう少し文章に「大人気(おとなげ)」があってよかったのでは、と思う。尖るべきはコンセンプトの打ち出し方であって、文章まで尖っている必要はないのである。まあ、筆者も「いい齢をして、大人気ない!」と年柄年中言われている。スカイマークにすれば「そんなお前から言われる筋合いはない」という心境だろう。

AKB総選挙、大島さん首位に返り咲き 2位に渡辺さん – 朝日新聞デジタル(6月6日)

 筆者の仕事はストラテジストで、ストラテジストとは相場の見通しを語ったりするものだと冒頭、自己紹介したが、筆者は常々、「株価の先行きは当てられないし、相場見通しも半分以上、外れるものと思ったほうがいい」というようなことを述べている。著書『ストラテジストにさよならを』(幻冬舎ゲーテビジネス新書)にはこう書いた。

「相場は運や偶然に左右されるところが大きい。理屈(理論)で説明ができるのはせいぜい2割がいいところである。運や偶然は人の力ではどうにもすることができない。だからこそ、人の力で突き詰められる理論が大切なのである。どうせ理論で説明できるところが少ないならと割り切って深く考えず適当に相場を張っていくのと、少しでも相場を捉えられる余地があるならばその可能性をとことん突き詰めて投資を行うのと、結果はたいして差がないのかもしれない。しかし『お前はどちらの態度で相場に臨むか?』と問われたら、躊躇わずに後者を選ぶ」

 半年ほど前のことだろうか、秋元康氏がAKB48の「非」選抜メンバーに贈った言葉が話題になったことがあった。以下はその冒頭部分である。

「成功するためには、何が必要か? 運です。僕はこの38年間、スターと呼ばれる人たちを見て来ました。僕も何人もプロデュースして来ました。そこで見たものは、運です。どんなに実力があっても、運がないとスターにはなれないのです。じゃあ、努力をしていても無駄なのか? 努力は報われないのか? そんなことはありません。努力は必要です。言い方を変えれば、努力は成功するための最低条件です。みんな、必死に努力して、じっと、チャンスの順番を待つしかないのです。大ベストセラー『もしドラ』を書いた岩崎夏海は、僕について16年後に成功しました。僕のドライバーをやっている時も、ずっと、小説を書いていたんですよ。いつか、必ず、チャンスの順番が来ると信じなさい。自分の境遇の悪さだけを嘆いていても始まりません。頑張れとしか言えないんだ」

BusinessJournal編集部

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