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高飛車な文書があぶり出した

スカイマーク西久保愼一社長の異端経営術

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 西久保氏は、大阪府泉佐野市生まれで、神戸大学工学部化学工学科卒。大同塗料を振り出しにソード電算機システム(現・東芝パソコンシステム)、システム工学社と転職を重ねた。90年9月、株価データを配信するシーネットを設立。運が上向く転機となったのは93年、明治乳業からパソコン通信会社、マスターネットを1000万円で買収したことだ。

 マスターネットは通信カラオケのソフトが大ヒット。この成功をテコにインターネット接続業に進出。シーネットを吸収合併したマスターネットは、ネットバブルの波に乗って00年6月にナスダック・ジャパン(現・大証ヘラクレス)に株式を公開。同時にゼロという風変わりな社名に変更した。

 株式公開の際に、保有していた自社株式の一部を売却して90億円を手にした西久保氏が、次に狙ったのがスカイマークの買収だった。04年1月、同社の創業オーナーだった格安旅行会社・エイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長から譲り受けて、西久保氏はスカイマークの社長に就任。ITベンチャー起業家は、ホップ、ステップ、ジャンプの三段跳びで航空会社の経営者に収まったのである。

 航空業界とはまったく無縁だった彼は、IT業界では当たり前だった成果主義を、スカイマークの経営に取り入れた。当然のことながら、成果主義はさまざまな摩擦を引き起こし、航空整備士が大量脱走し、パイロットも運行管理者も辞めた。その結果、整備ミスなども相次いだ。

 06年4月11日、事態を重視した衆院国土交通委員会は、西久保氏を参考人招致した。議員たちが安全対策を尋ねているのに、西久保氏は「収益を確保することが最優先の経営課題」とする持論を、とうとうと述べた。

 さらに、「スカイマークの経営を引き受けたときには累積債務が100億円を超えていたが、いまでは(株価の)時価総額は300億円」と胸を張った。「時価総額がいくらだろうが、乗っている側には関係ない」と議員を呆れさせた。

 こうしたかいあって、12年3月期(非連結)の業績は絶好調。売上高は前の期に比べて38.3%増の802億円、営業利益は同36.5%増の152億円、当期純利益は同21.8%増の77億円。売上高営業利益率は18.9%である。航空業界では、営業利益率が15%を超えればエクセレントカンパニーといえる。数字を見る限り、スカイマークは優良会社ということになる。

BusinessJournal編集部

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