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「ピンクレディ」「草刈機まさお」で取材殺到?

九州の一農機具メーカーが、世界進出できた理由とは?

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――プレスリリースを書いて一斉に発表するのですか? それとも個別にメディアにコンタクトされるのですか?

包行 親しい記者に、個別にお話しすることがほとんどですね。簡単な事項であればリリースを配布するだけでもいいのですが、戦略的なことになるとそれだけでは無理です。個別の記者に、じっくりわかってもらうことですね。そうしないと、いい記事にはなりません。テレビなどは、自分から売り込みに行っていますよ。

――まさに「広報担当会長」ですね。

包行 テレビに取り上げられたら、「行列のできるお店」になるかもしれないので、中小企業であれば誰もが願う夢。テレビはとにかく映像が勝負。どんな面白いネタでも、“画”にならなければ取り上げられるチャンスはありません。映像を徹底してアピールすることに尽きますね。それに、画期的だとか珍しいなどのニュース性、物語性も必要です。「こんな映像が撮れる」という点をアピールするプレスリリースをつくり、アプローチの方法を工夫するのです。そして出演したい番組のディレクターに直接送り、電話でアプローチすることが最もダイレクトで、有効な方法です。

――それで、PRするとどんな効果がありますか?

包行 対外的には知名度も上がり、お客さんも喜んでくれます。例えば、町を歩いているとき、親しいお客さんから「よー、まさお君元気かね」とか「ピンクレディの売り上げはどうだ」などと声をかけられ、話のきっかけづくりに役立ちます。リクルート(採用)にも、とても利きますね。新卒採用は毎年5〜6人ですが、いまや競争率数十倍です。なぜ応募したのか聞くと、「新聞で見た」とか「テレビで見て面白そうな会社」という声が多く、メディア露出の効果は大きいですね。

原点は独創的な製品づくり

――ほかにも面白いネーミングの商品はありますか?

包行 04年に開発した大型草刈機の名前ですが、アメリカからの飛行機の中でひらめいたのが大統領の名前でした。そこで、「ブッシュカッター ジョージ」とつけたのです。また、立ち乗り運搬車には「ヒラリー」、元大統領夫人を連想させます。こうして次々と話題をつくり、業界紙から一般紙、それにテレビなども含め、多くのメディアに露出しているのですよ。しかし、原点は常にものまねしない独創的な製品づくりです。世界にないものをつくることを忘れてはなりません。名前は、あくまで後からです。

――社内的な効果はいかがですか?

包行 大きな効果があります。社員のところへ、音信が途絶えていた遠くの親戚から電話があったり、友人や先生などから電話があったり。それに、「お父ちゃんがんばってる!」と社員の家族が喜びますよ。お父ちゃんがどんな仕事しているかも、テレビを通じてわかるとかもありますね。すると社員も元気が出るようで、意欲付けになったりと、実に思いがけない効果があるものです。

 このように、包行さんは、究極のネーミングの達人だ。すべての製品に、何かにちなんだ親しみやすいネーミングをつけて顧客に喜ばれている。その結果、数多くのメディア露出を楽しんでいる。業績も堅調なのは、世界唯一の製品づくりとともに、世間に対しアピールする力が強いからである。

 こうして、そのジャンルで画期的なネーミングを考え出すと、一挙にニュースになる。うまくいけば「トレンド」にも成長する。商品も同じこと。画期的な新商品を開発したならば、決して業界の常識的なネーミングにせず、絶対に“革命的”ネーミングを考え出すことである。

BusinessJournal編集部

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