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業界大手のダイナムが香港で上場

脱法市場のパチンコ業界がクリーンになる?

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post_415.jpg渋谷にある都市型パチンコ店。
 業界悲願の上場企業が誕生する。パチンコホール大手、ダイナムの持ち株会社ダイナムジャパンホールディングス(HD)(本社・東京都荒川区、資本金50億円、佐藤洋治社長)が8月2日、香港証券取引所に新規上場する。日本市場はパチンコホールの株式公開に門戸を閉ざしてきたが、皮肉にも、すぐ隣りの香港で上場が実現することになった。日本企業の香港上場は初めてである。

 ダイナムのIPO(新規上場)の幹事証券会社は、香港系と米系(の香港の会社)である。ダイナムジャパンHDは2011年9月に持ち株会社として設立された。パチンコホールを経営する4社を傘下に持つ。グループ中核のダイナムは67年7月、佐和商事として設立。全国に346店を展開、従業員は1万116名(パートを含む)。ダイナム単独の決算によると、12年3月期の売上高は8976億円、営業利益289億円、当期純利益158億円。ダイナムは今年、創業45周年だ。

 業界での位置付けは、マルハン(本社・京都市、韓昌祐会長)に次ぐ。同社の12年3月期(連結)の売上高は2兆791億円、営業利益514億円、当期純利益248億円だ。

 ダイナムジャパンHDの佐藤洋治社長は、68年に早稲田大学商学部を卒業し、ダイエーに入社。翌年、家業を継ぐことになり佐和商事(87年にダイナムに商号変更)に転じた。当初2店舗だったパチンコホールをチェーン展開し、05年3月期にはマルハンに次いでパチンコ業界では2社目となる年間売上高1兆円を突破した。佐藤洋治氏が事実上の創業者である。佐藤社長は株式が未公開ながら、金融機関&アナリスト向けの業績説明会を開催するなど、地道な努力を続けてきた。

 順風満帆に見える同社だが、実はかつて経営危機に陥ったことがある。バブル崩壊後の規制緩和で、パチンコホールは郊外型大型店が主流となり、駅前や商店街に立地したホールは淘汰された。郊外型ではないダイナムも赤字の店舗が増大した。一度落ち込んだ業績をV字回復させたのは、佐藤氏が考え出した1円パチンコだ。ホールは客にパチンコ玉を1個4円で売るが、佐藤氏は単価を1個1円に引き下げて、客を呼び戻すことに成功した。

 ホール業界では今、大手による集中化、寡占化が進んでいる。市場規模が急速に縮小しているためだ。公益財団法人日本生産性本部の「レジャー白書」によると、市場規模を示す貸玉収入は95年には30兆9020億円に達していたが、07年以降、市場規模は縮小。10年は前年比8.0%減の19兆3800億円となり、20兆円の大台を割り込んだ。最盛期に比べ市場規模は10兆円分も縮んだ。

BusinessJournal編集部

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