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【3】『僕がアップルで学んだこと』著書・松井博氏インタビュー(1)

アップル元社員語る「過酷な社内政治とクレイジーな要求」

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――具体的には?

松井 アップルにはATG(アドバンス・テクノロジー・グループ)という部署があって、論文を発表するような有名人がたくさん働いていた。しかし、この人たちはいろいろと研究しているのですが、利益を生んではいない。しかも、社長よりも偉そうにしているんです。社員にとってATGは憧れの対象でしたが、そのATGをジョブズはリストラしてしまうんです。この一件が、「お金を生まないヤツはダメだ」という強烈なメッセージとなって、社内にさぁーっと広がった。能書きはいいから、とにかく仕事をしろと。ジョブズ以前は良くも悪くもアップルは民主的だったんです。上からああしろ、こうしろと言われても、それじゃダメだと能書きを言えば意見が通ったりすることもあった。ところが、ジョブズがネクストから連れてきた連中が経営陣に入ると、雰囲気が変わった。

――どのように変わったのですか?

松井 「嫌なら辞めろ」という感じになりました。旧経営陣に拾われて偉くなった人たちは、もう先がないと思い、多くの人が辞めていきました。民主的な雰囲気はなくなって、ジョブズの一言でクビになる。例えば、「ホワイトボードの議事録を消し忘れてクビになった」とか、そういった真偽のつかめない噂が社内に飛び交いました。ジョブズと一緒になりたくないという社員が多かったと思います。
(構成=國貞文隆)

<目次>
【1】広告費ゼロで会員5万人?ソーシャルランチ人気の秘密(http://biz-journal.jp/2012/07/post_419.html
【2】もしグーグルが日本で起業していたら成功したか?(http://biz-journal.jp/2012/07/post_417.html
【4】なぜ“汎用技術”iPodがヒット?にみるベンチャー成功の秘訣(http://biz-journal.jp/2012/07/post_434.html

アップル元社員語る「過酷な社内政治とクレイジーな要求」の画像2
●松井博(まつい・ひろし):1966年生まれ。神奈川県出身。地元の高校を卒業後、渡米。オハイオ・ウェズリアン大学卒業。沖電気工業株式会社、アップルジャパン株式会社を経て、02年に米国アップル本社の開発本部に移籍。iPodやマッキントッシュなどのハードウエア製品の品質保証部のシニアマネージャーとして勤務。09年に同社退職。現在、カリフォルニア州クパティーノ市内にて保育園「つくしデイケア」を経営。

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