ビジネスジャーナル > ITニュース > IT全般ニュース > ニュースニュース > ヤフー・ツタヤ提携で楽天潰し?  > 3ページ目
NEW
ヤフーはBS事業、CCCはTポイント事業で相乗効果に期待大

ヤフー・ツタヤ提携が狙うネット&リアルの覇権と楽天潰し!?

【この記事のキーワード】, ,

 減少してきた原因は、はっきりしている。主力の音楽・映像ソフトレンタル事業が、競合他社との低価格競争によって収益性が低下したことに加えて、インターネットを使った音楽・動画配信サービスが台頭し、レンタル事業そのものの根幹が揺らぎつつあるからだ。特に、配信サービスはますます盛んになると予想されることから、レンタル事業は一段と厳しくなるだろう。直営店およびフランチャイズ店が多く、維持・運営コストの削減には限界があるため、早晩、店舗の統廃合が進むのではないか。とすると、劇的に業績が悪化する局面もあるかもしれない。

 ただし、こうした環境は、CCC経営陣もかなり早い段階から意識していた。MBOという経営陣による会社の買収を決定した際に、「主力事業である TSUTAYA 事業においては、今後のさらなる競争激化に加えて、インターネットによるコンテンツの配信速度の加速が見込まれ、(中略)経営環境はより一層厳しさを増すものと見込まれる」と述べている。そして、それに対処するために、「グループの経営資源の集中と経営の効率化を図る」べく、MBOを決めたという主旨を公式に発表しているからだ。

CCCの柱はTポイント

 では、今後のCCCの柱となる事業はなんだろうか?

 それは、Tポイントサービス事業である。CCCがアライアンス・コンサルティング事業と呼んでいるTポイントサービス事業は(以下、Tポイントサービス)、同社の売上高が減少する過程でも好調を維持し、大きな収益源に成長している。

 すでに上場廃止になっているため直近の細かいデータは参照できないが、11年3月期決算では109億円の売上高となっている。しかも、営業利益は36億円となっており、Tポイントサービスの売上高営業利益率は33%。11年3月期のCCC全体の連結売上高営業利益率が8.4%であったことを考慮すると、Tポイントサービスの収益性と、事業としての成長力の高さは抜きんでている。中長期的に、CCCの中心事業になっていくことも十分にあり得る。

 そこで、今回の提携劇。ヤフーの業績が頭打ちになっていることはすでに述べたが、実は、売り上げが伸びている分野もある。

 BS事業と呼ばれている部門だ。BS事業とは、中小企業や地元密着型店舗などに向けたネット広告事業であり、大企業向けの広告事業であるメディア事業とは区別されている。ヤフーでは、最近このBS事業が伸びており、従来の柱であるメディア事業と、Yahoo!オークションやYahoo!プレミアム関連の売り上げが占めるコンシューマ事業の2つに、売上高で肩が並びつつある。

 伸び率でいえば、横ばいが続くメディア、コンシューマ両事業を尻目に、売上高、営業利益で2ケタに近い数字を記録している状態だ。

カギはスマホと決済機能

 ヤフーとCCCの提携は、ヤフー側ではBS事業のさらなる伸び、CCC側ではTポイントサービスの拡大という、大きな相乗効果が望めるのである。Yahoo! ポイントがTポイントに統合されることで、ネットユーザのリアル店舗への送客が期待でき、Tポイントサービスのマーケットが広がる。また、Tポイントに加盟しているリアルの店舗がヤフーに広告を出したり、TSUTAYA会員やリアル店舗がヤフーのネットサービスを活用することで、リアルのネットサービスに対する需要が増えることになる。(ちなみに、このリアルからネットへの送客は、ヤフーの有効な楽天市場への対策となりうる)

BusinessJournal編集部

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

Instagram: @businessjournal3

ニュースサイト「Business Journal」

ヤフー・ツタヤ提携が狙うネット&リアルの覇権と楽天潰し!?のページです。ビジネスジャーナルは、IT、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!