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なぜ、「実力なし」「現場経験なし」の秘書出身経営トップが生まれるのか?

トヨタ、ダイキン、朝日新聞…企業を衰退に追いこむ側近政治の実態

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 秘書や企画といった部署は、社長の「側近部隊」であり、社内調整が任務だ。言ってしまえば、トップが判断するためのデータ探し、資料づくりが主な仕事であり、自身で大きなリスクを取って判断するケースは少ない。事業という「真剣勝負」の場でのぎりぎりの攻防戦を経験していないが、粉骨砕身で尽くしてくれるから、トップからすれば「ういやつ」となる。だから一定のところまで出世するのはわかるが、それが社長となるとやり過ぎだ。

 さらに言えば、調整役として長けたこうした人物を自分の後任社長に据えるという意味は、経営者が自分の周囲にいる人しか評価できなくなっているということではないか。ゴマすり人間や、自分を超えない人材を選ぶということにほかならない。そして、側近は自分を引き上げてくれた「ボス」のやったことを、なかなか否定しづらい。それが前例踏襲につながり、企業が環境の変化に対応していく力を低下させることにつながっていると、筆者は感じる。

 中国の王朝でも、王の側近として使える「宦官」が権勢を振るい、国政を乱したケースは多い。側近が跋扈する企業とは、「宦官経営」にほかならない。
(文=井上久男/経済ジャーナリスト)

※後編へ続く

『企業参謀ノート・入門編 』 側近政治に陥る前に amazon_associate_logo.jpg
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