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「ダイヤモンド」vs「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(8月第5週)

アップルも認めた!? 遅れる日本の携帯電磁波リスク予防

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「高周波エネルギーへの暴露について不安がある場合にはiPhoneの使用時間をできるだけ減らし」「できるだけ体から離して持ってください」。高周波エネルギーとは電磁波のこと。この電磁波の危険性がささやかれているために、メーカー側も注意喚起を行うようになったのだ。

 電磁波の健康への危険性として調査結果が出ているのは、脳腫瘍の罹患リスクを高める。精子が減少するといった海外での調査のほかに、日本でも10年に通信業界の監督官庁である総務省が出資した東京女子医大の研究で「一日に20分以上通話するヘビーユーザーに聴神経鞘腫(耳付近にできる良性の脳腫瘍)のリスクが2.74倍増加した」という結果も出ている。ただし、「影響はない」という結果もあるだけに、日本では問題視されていない。

 しかし、先進国を中心とした海外では、リスクがある以上予防措置をとるべきという考えが主流で、日本よりも厳しい基準を採用したり(ロシアや中国)、16歳未満の若者や妊婦には携帯電話の使用を控えるよう呼び掛けたり(イギリス)、被曝量を軽減できるイヤホンマイクを添付しないと端末を販売できない(フランス)といったさまざまな対応がとられているのだ。

 また、全国に約28万局ある携帯電話の基地局から発せられる電磁波も健康障害を引き起こす懸念が持ち上がっており、宮崎県延岡市で、恒常的な耳鳴りや慢性睡眠などの健康被害を訴える基地局周辺の住民が、KDDIに対し操業停止を求める裁判が行われており、10月17日に判決の予定だという。この秋はスマフォブームとともに、この電磁波基地局健康被害裁判の判決にも注目だ。

 こうした社会派のネタも1頁だが掲載しているところに、社会派の東洋経済らしさを見ることができるのだ。

●シャープ危機の原因は前社長の偉そうな態度だった!?

「週刊ダイヤモンド 9/1号」の特集は『シャープ非常事態』だ。創業100周年を迎えるシャープが、過去にない経営の危機に直面している。シャープはほかの電機メーカーと同じく前期、大幅赤字に転落し、過去最悪の3760億円もの損失を計上。今年度に入っても回復の兆しは見えず、第1四半期でまたもや1384億円の最終赤字に陥っている。リストラ負担も含めて通期で2500億円の最終赤字を見込んでいる。このため、市場は厳しい反応を見せ、シャープの株価は一時(8月15日)、164円を付けた。実に38年前、1974年10月以来の安値となっている。

 この株価の急落に、資本業務提携を進めていた台湾のEMS(電子機器受託製造サービス)大手の鴻海精密工業グループも、提携話の見直しを始めている。両社が提携に合意した今年3月では、鴻海は1株550円でシャープ株の9・98%を取得し、筆頭株主となる予定だったからだ。株価の急落で出資条件の見直し交渉が行なわれているが(8月31日現在)、シャープとしては鴻海から入る669億円の資金で財務改善を進めるはずだったために、再建計画の開始が遅れている。

『週刊 東洋経済 2012年 9/1号』 電波感じるビビビ。 amazon_associate_logo.jpg
『週刊 ダイヤモンド 2012年 9/1号』 結局なんでつまずいたの? amazon_associate_logo.jpg
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