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シリアルアントレプレナー・小川浩「Into The Real vol.7」

失敗するベンチャーは、フェイスブックやツイッターを目指す?

文=小川浩/シリアルアントレプレナー
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 本来はソーシャルゲームのような分野はロングノーズ型なのだが、ZyngaはFacebookという巨大なプラットフォーム上に流れるトラフィックを、gumiはGREEという巨大なトラフィックを流用できるので、マネタイズを早く実現できた。彼らの急成長は、FacebookやGREEなどのプラットフォームあってのことだ。

 同じように、AppleのiOS用アプリを開発するベンチャーも、iPhoneやiPadのApp Storeという巨大なマーケットプレイスが存在するからこそ、面白いゲームや有益なアプリの開発に専念できる。つまり、こうした巨大プラットフォームの上であれば、ロングノーズのリスクを軽減しつつ急成長を実現できるので、多くのスタートアップが参入するのも無理もないことだ。

●事業をどのプラットフォームに置くのか?

 スタートアップがとるべき事業戦略の最もシンプルなポイントは、自分たちの中核事業をどのプラットフォーム上に置くかを、明確に意識することである。例えば、OSをプラットフォームと考えれば、その上で事業を考えることとは、Windows対応のアプリを開発することだ。また、ブラウザーをプラットフォームと考えれば、例えばYahoo!のようなポータルや、Googleのような検索サービスという事業をつくっていくことになる。

 スタートアップとしては(特に資金力に激しく劣る日本のスタートアップは)、自分自身がプラットフォームになろうとするような超ロングノーズ型事業計画を選択するのは恐ろしく危険だ。成功すれば巨大なリターンが見込めるけれど、失敗する確率もまた極端に高い。シリコンバレーでは、ロングノーズ型事業に取り組むスタートアップと、それに資金を供与するVCも多いが、日本国内ではほぼ不可能に近い。

 だから、既存の巨大プラットフォームの上に事業を載せることを考えるべきだし、どのプラットフォームの上で勝負するかを決めることが重要となる。

 要するに、起業家としては自分でカジノを開くのではなく、どのカジノで、どのゲームで一儲けするかを考えるべきだろう。

小川浩/シリアルアントレプレナー

小川浩/シリアルアントレプレナー

シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。

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