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「ダイヤモンド」vs「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(10月第2週)

『四季報』裁判を起こされた「ダイヤモンド」の企業特集が出色

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 ランク外にある地方自治体からみてもどうも参考にできないランキングばかりなのだ。その典型が「高齢者が住みよい街ランキング」だ。「高齢者が住みよい街ランキング」では、1位・倉吉市(鳥取県)、2位・三次市(広島県)、3位・港区(東京都)となっている。ここでは3位に東京のど真ん中、港区がランクインしているが、ランキングの理由は医師数、生活密着型小売業事業所数、65歳以上の就業者比率がそれぞれ全国1位と高いためだ。この理由は都心で大病院や企業数が多いこと、それにともない高齢者向けの求人も比較的多いこと。また、高級住宅街が多く、こういった地域の住民は65歳以降も企業の役員を続けること、といった理由が挙げられている。これでは、ほかの過疎地域の地方自治体が参考にできることがなく、うらやむばかりになってしまうのだ。

「安心・安全な街ランキング」も同様だ。1位・益田市(島根県)、2位・十日町市(新潟県)、3位・室蘭市(北海道)というランキングだ。1位の益田市(島根県)は交通事故、刑法犯認知件数がともに低いことがランクインした理由だ。  しかし、これは過疎地域で若者がいないためなんじゃないの!? というツッコミをいれたくなる。今夏、筆者は地方自治体の取材で益田市にある萩・石見空港と益田駅を利用したが、空港は羽田との往復一日一便、タクシー運転手さんは往時の観光ブームを懐かしむばかり、駅は新山口まで特急(といっても単線で)に乗って新幹線に乗りかえ大阪、東京に向かうという不便な地域だ。現地で見かけた若者は、夏休みで帰省したのか、益田駅の窓口で、神奈川県の長津田駅に向かうために新幹線の切符を購入していたキャバ嬢風の女性だけだった。つまり、若者は東京・横浜に向かい、どんどん過疎が進んでいるのが現状だ。交通事故、刑法犯認知件数がともに低いといわれて喜ぶ住民はいないのではないだろうか。

 さらに『裕福な街ランキング』と『財政力のある街ランキング』が追い討ちをかける。「裕福な街ランキング」は1位・鎌倉市(神奈川県)、2位・港区(東京都)、3位芦屋市(兵庫県)、4位・坂井市(福井県)……とお金持ちが住む街が並ぶ。4位の坂井市は三世代同居が多く1住宅当たり延べ面積が全国1位だ。 『財政力のある街ランキング』も、1位・品川区、2位・中央区、3位・江戸川区と東京の有数のエリアが並ぶ。なお、3位の江戸川区は地方債残高・依存度が低いことがランクインした理由だ。

 なお、『出産・子育てしやすい街ランキング』は1位・横手市(秋田県)、2位・由利本荘市(秋田県)、3位・十日町市(新潟県)といったランキングだ。

 ……こんな調子で、今回の特集はデータの結果だけで見ていて、分析・提言が圧倒的に少ないのだ。ジャーナリズム的な視点を持つ東洋経済ならではの、財政力の弱い過疎地域をどう活性させるのかなどといった視点がないと、単なるテレビバラエティの1コーナーレベルの「こんな面白い自治体がありますよ」という紹介特集になってしまうのだ。

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