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「ダイヤモンド」vs「東洋経済」! 経済誌双璧比べ読み(10月第2週)

『四季報』裁判を起こされた「ダイヤモンド」の企業特集が出色

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 もうひとつは新・退職給付会計だ。多くの上場企業には退職金や企業年金の制度がある。会計の世界ではこれらを退職給付制度というひとつの枠組みの中で処理している。将来の年金や退職金の支払額を現時点で必要な金額に修正した退職給付債務のうち、年金資産が不足する分は企業が穴埋めしなければならない。この債務のなかで、穴埋めされたものは退職給付引当金となるが、穴埋めされていない債務は未認識債務となる。この未認識債務はこれまでは一定期間で分割して費用処理できたが、14年3月期からは未認識債務は一気に退職給付引当金に上乗せせざるをえなくなるのだ。

 つまり未認識債務が大きい会社は財務体質の悪化は避けられないのだ。現時点で未認識債務を抱えている上場企業は1800社。このなかには存亡の瀬戸際に立ちかねない会社もありそうなので、注意が必要だ(『上場1800社を直撃! 新・退職給付会計で落ちる会社』)。

 そして今回の好企画は『超一流企業トップはここを見る 社長・会長が重視する財務諸表』だ。会社の社長・会長は日ごろどのような財務諸表を重視して経営を行なっているのか。業種別売上高トップ5の会社に対し、アンケート調査を行なってその実態を探ったものだ。

 「会社を経営していく上で重視している財務指標は何ですか?」。この質問に対し、1番多かった答えは「営業利益」。営業利益は本業でいくら稼いだかがわかる指標だ。2番目に多かったのはフリーキャッシュフロー、事業を行なって獲得した現金のうち経営者が自由に使い道を決められる現金だ。3位は当期純利益と売上高、5位は有利子負債比率だった。有利子負債比率とは借入金や社債といった有利子負債が返済義務のない株主資本でどのくらいまかなえるかを示す指標のことだ。

 また、企業分析の際、単年度の数字だけでは浮き沈みが把握しにくい。企業のトップは何年分の経営数値を見ているのか。一番多かったのは、全体の40%を占めた6年分以上という答えで、5年分と答えた36%を含めると、大部分の社長は5年分以上を見ていることがわかった。

 さらに、企業トップに「事業拡充などを目的として直接投資を決めるとき」と、それとは正反対の「事業の縮小・撤退を決めるとき」にそれぞれ重視する財務指標は何かという質問をし、その答えを一覧にしている。

 事業拡充を決めるときに最も重視する財務指標は「投資の回収期間」であり、縮小・撤退を決めるときに最も重視する財務指標は「当事業の利益」という結果で、「当事業の累積赤字」は2位だった。「注目の指標 会社のトップはここを見る」では回答のあった57社の社長(会長)の答えを掲載している。掲載企業の関係者、取引先はこの記事を読まざるをえなくなる……売り上げ部数増が期待される好企画だ。
(文=松井克明/CFP)

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