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米国では誰も買わない? 破産したのに、なぜアジア各国へ進出するのか?

大人気クリスピードーナツ日本進出は、米国での破綻処理の一環!?

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 そして、その残りかすのような資産を売りつけられたのが日本市場。日本進出は06年。つまり米国での破綻後ということになる。

 その背景には、経営が立ち行かなくなった後に、投資家たちが少しでもその投資資金を回収しようと奔走した結果、未進出の国々へなんとかブランドを売りつけたという事情がある。現在では日本とともにフィリピンやタイ、インドネシア、そして韓国や中国など、これまで展開が遅れていた中東を含む広域アジア圏を中心に、新たな市場開拓を行っている最中である。

 すでに本国では倒産したブランド。しかもその破綻劇は、あまりにも欲をかきすぎたというしかない、いささか乱暴な手法により引き起こされたもの。そう思うと、「アメリカで大人気の」というキャッチフレーズはともかく、破綻処理の一端として売りつけられたブランドに、虚飾でしかないような宣伝に踊らされて長い行列に並ぶ前に、少しだけこうした現実を見直してみてもよいのではないだろうか?
(文=田中 秀憲/NYCOARA,Inc.代表)

●田中 秀憲(たなか・ひでのり):NYCOARA,Inc.代表
福岡県出身。日本国内で広告代理店勤務の後、99年に渡米独立。04年、リサーチ/マーケティング会社、NYCOARA, Inc.を設立。官庁/行政/調査機関/広告代理店などのクライアントを多く持ち、各種調査や資料分析などを中心に、企画立案まで幅広い業務をこなす傍ら、各メディアにて寄稿記事を連載中。小泉内閣時代には、インターネット上での詐欺行為に関するレポートを政府機関に提出後、内閣審議会用資料として採用され、竹中経済産業大臣発表資料の一部となった。

BusinessJournal編集部

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