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民主党離党議員の悔恨の告白、小泉俊明衆議院議員インタビュー

民主党は、年次改革要望書廃止に反発したアメリカに潰された!?

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 ところが、TPPは条約です。条約は国内法に優先するために、TPPで話をまとめれば、法改正よりも早く変更ができてしまう。個別に国内法を変えると3年から5年はかかることが、一度の交渉で変更できてしまうのです。米国にとっては年次改革要望書を拒否するならば、より国民にわかりにくい形で要望ができるTPPを日本に呑ませようと仕掛け始めたのです。

 ただし、私は巷に流布するような「すべて米国がたくらんで世界を動かしている」といったような米国の陰謀論にくみするつもりはありません。日本の政治家は米国の指示に従うばかりではなく、自国の利益の主張をしていくべきではないかと言いたのです。

 最近話題のベストセラーに、外務省OBの孫崎亨氏の著書『戦後史の正体』(創元社)という本があります。その中で孫崎氏は、日米の外交は常に米国からの圧力に対して、親米的な「対米追従」路線と、米国と距離を置こうとする「独立自尊」路線という2つの路線の間で、どのような選択をするかが最大のテーマだったと書かれています。小泉内閣のように親米的な政権は長続きし、細川護熙連立政権のように自主独立、アジアとの協調重視の政権は短命に終わるとも解説しています。

 これは外交だけではありません。日本の政治、経済でのスタンスも、親米的な「対米追従」路線と米国と、距離を置こうとする「独立自尊」路線があり、その2つの路線の間でどのような政策をとることができるかが問われているのです。米国は当然ながら自国の利益のために主張し、行動します。ですから、米国の政策に同意する部分と反論すべき部分はあるはずなのです。

 ところが戦後の日本は、親米的な「対米追従」路線が圧倒的に強いのです。当時のブッシュ大統領との蜜月関係を重視した小泉政権が典型でしょう。小泉政権がいかに日本経済を米国に叩き売りしたかについては、小泉政権時代に私は国会質問で追及しましたし、この新書でも小泉政権の新自由主義の問題点をまとめています。

●アジアからの侵犯が増えた原因は野田政権にあり

――鳩山政権に代わった菅直人、野田佳彦政権は「対米追従」路線を突き進み、消費増税に円高ドル安、TPPと米国にとって都合のよい政策を進めています。その結果と、して何度かの党分裂を繰り返してしまいました。

小泉 米国依存、財務省依存で、民主党は別の政党に成り代わったかのように大きく変わりました。まるで「対米追従」路線の小泉政権を引き継いだような政治を行います。その最たる例が消費増税です。

 政権交代を果たした総選挙において国民に約束したのは、まずは増税をせず、特殊法人や天下りなどを廃止・見直し、無駄遣いを徹底的に削るとともに、予算の組み替えをして予算を捻出することだったはずです。ところが鳩山政権がツブれるや、財務省のレールに乗って安易に消費増税に突き進み始めるのです。15年以上続く、この不景気下での消費増税は消費者の負担が増し、景気がさらに悪化するのは火を見るより明らかなのに、です。
 
 ですから私は、消費税増税法案の衆院採決で反対票を投じ(12年6月26日)、衆院国土交通委員会の筆頭理事を辞任しました(党員資格停止2カ月の処分)。8月8日の野田内閣への内閣不信任案には賛成の投票をし、翌日の8月9日には、離党届を提出したのです。

 これほど野田政権には問題が多いにもかかわらず、8月8日に開かれた民主党の両院議員総会では「野田総理は決断をした。決断できる政治の復活だ!」などと、1年生議員の野田首相への礼賛発言が相次ぎました。反対意見が出てこないこの光景に、消費増税に賛成している国会議員たちからも、「この両院議員総会は反対意見もなく野田礼賛を繰り返すだけ……まるで新興宗教ではないか」という声が聞こえてきたほどです。確かに狂信者の群れのようです。狂信者たちが、日本を亡国の道へと突き進めるのです。

●各国首脳との会談もそっちのけの野田総理

 野田政権がしたことは米国の言いなりの政治、消費増税だけ。これでは近隣諸国からもなめられます。消費増税の議論が最優先で、外交も後回しです。3月には、韓国でオバマ大統領をはじめ世界中のトップが集まり、核サミットが開かれました。各国首脳によるトップ会談が個別に開かれているのに、野田総理はどの国のトップとも正式な会談もせずに、この消費税増税の会議のために帰国してしまいました。しかも総理は、結局この会議には出席しなかったのです。外交が直接国民生活に大きな影響を与える時代に入ったにもかかわらず、この判断は明らかに国民の利益に反するものでした。

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