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毎日の買い物が超便利になる! コンビニ考現学第7回

ほとんどはアルバイトによる犯行!? コンビニ万引きの実情

文=渡辺広明/元コンビニバイヤー

●防犯カメラは必ず見ている!

 このようにコンビニではさまざまな場面で万引きが起こっていて、これらの多くは、3カ月に1回程度行なわれる棚卸しで発覚している。商品ロスは、全店で高額に発生している訳ではなく、オーナーの店舗管理能力の低い1割前後の店舗で問題となっている。

 万引き発生店舗では、こうした状況の改善と実態調査のため、アルバイト全員を対象に、聞き取りを中心とした個別のロス面談をオーナーやSV(店舗巡回員)が実施している。

 なお、この面接を実施すると、店舗で信頼して仕事を任せている、リーダー格のベテランアルバイト主婦や普段はまじめでしつけが行き届いたような学生バイトなど、ビックリするような人が、大胆な不正の告白をすることもある。具体的すぎてここでは明かせないが、実施する側としては、ちょっと人間不信にさえなってしまうようなエピソードが満載だ(苦笑)。

 具体的な防犯対策としては、店内に設置された防犯カメラが上げられる。特にレジ周りには注意が向けられているなど、厳しい対策がとられている。防犯カメラの多さについては、コンビニがスーパーなどの小売業態と比較してお客による万引きが少ない要因とも言われている。

 また、廃棄商品の持ち帰りへの対策としては、徹底した社員教育しかないのが現状だ。

 平均1日1店舗1万5千~2万円分の時間ロスによる廃棄が出ているので、もったいないし、頑張っているアルバイトに還元しても良いのでは……と思われるかもしれない。だが、アルバイトに廃棄をあげると冒頭の北の国からのように、店にある商品が何でもタダであるように感じてしまうため、アルバイト不正の後押しになっていることが、ロス面談などからも発覚しているのだ。

●万引きは犯罪です!

 もちろん、少ないとはいえ外部犯(客)による万引きの例も後を絶たない。これらに対しては、商品取り扱いの側でうまく対策をしている事例もある。近頃コンビニ店頭で主流になっているアマゾンやアップルのギフトカードは、店頭に陳列されている時は無価値で、レジでスキャンしたあとに、額面の価値が出るPOSアクティベートという仕組みを取っている。これは万引き大国・アメリカから持ち込まれた仕組みなのだ。

 また、単純だが、アルバイトによる大きな声でのあいさつ接客が最も効果的だとも言われている。

 近年は、たばこや飲料などカテゴリー別に全ての売上在庫管理が、各チェーンシステムで個店別で出来るようになったため、どのカテゴリーから、商品ロスが出ているか、リアルタイムで把握出来るようになり内部不正は激減した。

渡辺広明/元コンビニバイヤー

渡辺広明/元コンビニバイヤー

コンビニの店長、バイヤーとして22年間、ポーラ・TBCのマーケッターとして7年間従事。商品開発760品の経験を活かし、現在 (株)やらまいかマーケティング代表取締役として、顧問、商品開発コンサルなどに多数参画。報道からバラエティまで幅広くメディアで活動中。フジテレビ「Live News a」レギュラーコメンテーター。 「ホンマでっか⁉︎TV」レギュラー評論家。『ニッポン経済の問題点を消費者目線で考えてみた』『コンビニを見たら日本経済が分かる』等著書多数。
渡辺広明公式ホームページ

Twitter:@yaramaika

『万引きの文化史』 ゆすりの原因になるやつ。 amazon_associate_logo.jpg

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